「これは劇場で観ておきたい作品」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア nanassyさんの映画レビュー(感想・評価)
これは劇場で観ておきたい作品
原作未読、アニメは映画含め全話視聴済みです。
SAOを見始めたのが前劇場版の上映終了後だったため、映画館の大スクリーンにソードアート・オンラインのタイトルが表示されるのを見たときは軽く感動しました。アニメ化から9年。その始まりのエピソードを劇場で観られる日が来るとは。
2022年なんてずっと先だと思っていたのに、もう一年後にはSAOが発売されるのか…と冒頭から感慨深くなっていました。
今作はキリトがヘタレでとにかく可愛い。でもここぞというときに強くてやっぱりかっこいいと思ってしまう。敵ゲージが一瞬でゼロになるってあなた。
私はミトはきっと死んでしまうのだろうと思っていました。
それがまさかあんな展開に…
ミトもアスナも辛かったと思う。見捨ててしまった罪悪感。一番助けてほしいときに手のひらを返されたショック。
なんで離れていってしまったのか?ミトにどういう感情を抱けばいいのか。整理できないでいるアスナの気持ちを受け止めるキリトの声が優しい。
第一層のボス戦がクライマックスだが、これがTVシリーズとは比較にならないド迫力で驚いた。
マントを脱ぎ捨てるアスナがめちゃめちゃかっこよかった。生きる覚悟を決めたのだなとすごく伝わってきた。
ギリギリの攻防を繰り広げた末、最後のスイッチでSAOの主題と言えるあの劇伴にキリト渾身の叫びがかぶさってボスが切り裂かれた瞬間に湧き上がるカタルシス。
結末を知っていても息を呑む大満足の展開でした。
ボス戦以外でも劇伴のタイミングと選曲がハマっていて、それだけで気持ちが上がる場面がいくつかありましたね。楽曲自体がとても好きなのも大きいですが。
キリトがベータテスターへの疑心暗鬼を一身に引き受けるシーン。
TV版と比較して、キリトの声から嫌味な感じが抜けて、静かな威圧が増した印象を受けました。松岡さんが塗り替えたかったのはここかなぁなんて思いながら、今の松岡さんで当時のキリトを聴ける嬉しさがありました。
それにしてもアスナの横を通ったときのあの表情。惚れてまう。
最後のミトとアスナの別れ。
アスナはミトを赦したのだと思う。自分のためにレア装備をゲットしてくれていたミトが、本来のミトなのだと受け止めたのだろう。
ミトも少しは心が緩んだと思う。でもきっと罪悪感は消えない。アスナは「またね」と言ったけど、ミトは「さよなら」と言ったことが、それを物語っている気がした。
その後のミトを想うとちょっと心が痛む。してしまったことは取り消せないけれど…
ミトの弱さはとても人間らしくて私は共感する。
生き残ってくれていたら、いいな。
アスナはミトといることよりもキリトについていくことを選んだ。
これは「友達よりも恋を選んだ」というような表面的な話ではなく、アスナが自分の「生き方」を選んだのだと思った。キリトが一人で背負おうとしているものを感じとって、自分も同じ道を生きたいと思ったのではないか。
ただ、ミトを誘わなかったところには切なさがある。一度ヒビの入ってしまった絆は、もう元には戻らない。そこに引きずられないのがアスナの強さだと思った。
今作はキリトだけでなくアスナも可愛いシーンがたくさんあるが、私が一番好きなのはバスタブを前にしてホワワワァァ!となっているアスナさんです。
迫力で言えばIMAXが最強だが、Dolby AtmosはLiSAさんの主題歌がとても贅沢に聴けて良かったです。
あと何回かは観に行きたい。
まさかの続編。プログレッシブはこのまま劇場版で続いていくのだろうか?とても楽しみです。
ここから下は余談いろいろ。
一週目の入場特典であるabecさんのポストカード、一番欲しかったキリトだけ手に入れられなかったことが地味にショックです…涙
アスナが入力するパスワード、あれを追える人なんているのだろうか?笑
アスナがミトからレア装備を受け取ったとき、キリトがくれてLv.4まで上げた剣が一瞬にして用無しになったのだと思うとちょっと可笑しい。
でもきっとアスナはそれを手元に残しておくのだろうなぁとニマニマしてます。
追記
劇伴はかかるタイミングも含めてすべて梶浦さんのセンスだったようです。さすが。
あのお馴染みの曲はキリトのテーマで必勝曲なのだと聞いてなるほど!と。道理であれがかかると無条件にテンションが上がるわけだ。