「12ch」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア Higeさんの映画レビュー(感想・評価)
12ch
IMAX日本史上初の12chとの触れ込みに興味を持ちIMAXを初視聴。
近場にTHX対応の映画館もあるんだけど、そこではSAOの上映自体が無かったんだよね、残念。
映画を見た感想は、まぁ面白かったし音も良かった。及第点の5点。
ただ、IMAXの立体音響については、あまりこの映画は向いていなかったのかなぁと。
音は間違いなく良かったんだけど、例えるならスピーカーをガンガン鳴らしウーハーをきかせてロックを聴くような感じ。折角の奥行きのある立体音響なので、オーケストラこそが聞きたかった。
アスナとキリトに焦点が当たるので、最大の見せ場である筈のレイド戦でも少々間延びした感が否めない。
音だけなら本編前のデモが一番良かった。勿論、IMAXの魅力を最大限にアピールする為に作られたデモなのだから音が良いのは当然なんだけど、それでも飛行機が前から後ろに抜けて行く疾走感。それがあればまだ音が映えたのでは無いかなと思う。
確かにあの画面の中に自分が居るような没入感はあったが、IMAXの強みはそこでは無いように思う。史上初の12chを謳うには少々物足りない。
内容について、他のレビューでアニメの延長線との指摘を散見するが、本作品に限らずストーリーの一部を切り取って映画で作る作品が増えている様に思える。
それらの作品を家で見て、さすがの映画クオリティと感心はするが、映画館で見てこそ!と言った特別感は少なく感じる。
テレビシリーズの完結編、エンディングを映画で!なら視聴後に余韻が残るが、テレビシリーズを切り取って映画でやるのはどうなのか。
起承転結があってこそ。やはり結びが弱いと作品としてのカタルシスを得る事は難しい。
そう言う意味でも本映画は面白くはあったが少々物足りなさも感じた。
アインクラッド編の導入をアスナ視点で描くのは良かった。お嬢様のアスナが何故SAOをプレイしたのか、その導入を掘り下げ、攻略へ傾倒する部分を新キャラとの絡みで動機付けるのは手法としては解かりやすいし有りだと思う。
小4の子供と一緒に観る事にしたので、予習をしたいとの事で前日にテレビシリーズを駆け足で途中まで見たので細かい差異を比較できた。
色々と違うとこがあったと子供も言っていたが、違う世界線としてみれば問題はない範囲。その点は特にマイナスには感じないが、肝心の部分の心理描写が弱くはあるのでもうちょっと解かり易く演出するなり掘り下げるなりしても良かったのかなぁとは思う。
ちなみに、キリトはさすが主人公だったねと子供に言ったら、主人公はアスナだったよ。
でもキリトも格好良くなかった?と重ねて聞いたら、キリトは呪術廻戦の五条さん枠。キリトは虎杖にはなれないよねとの仰せ。納得でした。