「コンテンツビジネス」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
コンテンツビジネス
ご存知の通り色々と物議を醸す作品の一つであるものの、KADOKAWAにとっては売れ筋人気コンテンツの一つです。原作からTVアニメが数シリーズ放送、ファンも多く今作も良い線行きそうな予感ですが、鑑賞して思ったのは、やはりKADOKAWA作品なんだなと。
まず作品自体はマズマズ良く出来てると思います。まァ細部チョッと疑問に思う節や、掛け合いなどの不自然が散見されるものの問題と言う程ではないし、それにこの物語の最初の舞台・アインクラッドからの視点替えリメイクのため、説明不足がありますが全くの一見さんでも問題なく楽しめるでしょう。
初作をアスナ目線から再構成し、その際に新キャラ・ミトを新規挿入、2012年第1期のテレビアニメ版とは展開こそ同じですが内容がブラッシュアップ?された様な案配です。なので本作をもう一度最初から楽しもうという初期ファンにも居るのではないでしょうか。
個人的には可もなく不可もなく、コレと言ってココが凄い!って程の印象深さがある訳ではなく無難。要はいつもの“SAO”と言いましょうか。
かと言って決して平凡では無く、人に聞かれれば普通に面白かったデスよ、と言えるかと思います。ただ今作もまた『ゲーム内死亡がリアルの死亡と直結、既に2千人以上が犠牲に』のクダリがどうしても解せないのは初作と同じで、ソレはサラッと流した方が良いのでしょう。
一方根っからのファンの中には、あまり快く受け入れられない人が存在するのも事実ではないでしょうか。その辺りは気持ちの問題なのでどうする事も出来ませんが、個人的にも今作には古参と新参のファン派閥を呼びかねない危うさもあると思ってます。
ソコに、面白い人気のコンテンツを続々提供し、沢山の人に楽しんでもらいたい旨のサービス精神があるのか、単に儲かるコンテンツを焼き直して使いまわし、擦り減らしつつも利益を獲得したい野望があるのかは定かではありません。
その古参にとっても“再起動”作品でありつつ過去作とは違う要素や流れ、節々のアップデートに対する受止めは様々と思いますが、賛否や如何に? 気になる所ではありますが、個人的にはやはりモヤッとした感が無きにしも非ずです。
前作のオーディナル・スケールがイマイチだったこともあり、今作はそれ程期待してた作品ではありませんでした。そんな敷居の低さから若干緩く評価できたのかも知れませんが、OVAと言う手法にコメたKADOKAWAの商売を微妙に思う部分を差し引いています。