「アスナ視点で描くSAO」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
アスナ視点で描くSAO
原作未読ながらテレビシリーズでファンになり、以降のアニメ作品は全話視聴済みです。というわけで、久しぶりの劇場版SAOを楽しみにしていました。そんな観客が大勢いたと見え、いつもはスカスカの地元の田舎の映画館が、ここ最近では見たことがないほどの最高の客入りでした。SAO人気を改めて再確認しました。
とはいうものの、公開初日のレビュー評価が伸び悩んでいたので、ちょっとだけ不安を抱えての鑑賞でした。しかし、全くの杞憂で、大満足の1時間半でした。事前情報なしでの鑑賞だったので知らなかったのですが、本作はSAOの発端から第1層攻略までをアスナ視点で描いています。新ストーリーだと思っていた自分にはやや拍子抜けでしたが、「すべてはここから始まったんだな」と感慨深いものがあり、それをアスナ視点で描く新鮮味が加わり、全く退屈することはありませんでした。
テレビアニメの1stシリーズに続く前日譚として、ミトとの交流からVRMMOのフルダイブゲームに参加したことで茅場の陰謀に巻き込まれ、困惑しながらもVR世界で生き抜く決意を抱くアスナの姿が、SAO初心者にもわかりやすく描かれているのには好感が持てます。ミトとの交流から離別、キリトとの出会い、ミトとの再会と、アスナに寄り添って実に丁寧に描かれています。これは、古参のSAOファンにとっても、アスナルートとして新鮮に楽しめるのではないかと思います。特に、キリトとの共闘による第1層ボスの攻略は胸熱です。テレビアニメとはひと味違う、クオリティの高いハイスピードバトルは、一見の価値があります。
というわけで、久しぶりの初期SAOワールドが懐かしく、改めてこんなゲームが現実にできないかとワクワクしながら鑑賞していました。設定ではSAOは2022年の発売ですが、現実ではもう少し先になりそうです。いつの日かフルダイブゲームを試してみたいものです。
また、エンドロール後におまけ映像があり、この先が気になるところです。今後もこの調子で劇場版展開していくのでしょうか。それも悪くはないのですが、長丁場になりそうなのでテレビシリーズにしてくれてもいいかもしれません。で、やっぱり劇場版はオリジナルストーリーがいいかなーなんて思ったりします。