劇場公開日 2023年5月26日

「私には満点をつけることしかできない。」トップをねらえ! キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0私には満点をつけることしかできない。

2020年12月3日
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このシリーズがリリースされた私の高校生時代、当時「アニメージュ」のレビューで辛口批評が定番だったあさりよしとお先生が珍しくこれに高評価を付けていたことをきっかけに、初めて『監督:庵野秀明』という名を知って以来、まさか30年以上彼の作品を待ち続ける日々を送ることになろうとは思ってもみなかった。
おそらくそんなファンは多いことだろう。

そして、シン・エヴァ新作を待つ私の前に現れた『トップをねらえ!』の劇場再公開。

あらためて観ても「エーテル宇宙論」や「ブラックホール」をはじめ、『インターステラー』『オデッセイ』など、比較的最近の作品でも物語の重要な要素となる「重力ターン」がサラッと登場するなど、国産SFとしての意義も大きい。
そのクセ、SFやロボットアニメ、スポ根モノを自虐的にイジッてくる視点もまたファンにはたまらない。

当時、作品(VHS)はもちろん関連書籍やゲーム、CD(また音楽がいいのよ)などなけなしの小遣いはたいて擦り切れるほど堪能した、そんな私のレビューなんかに客観性があるはずもない。
私にとっての『トップ』に★は5つ以外ありえないのだ。
まあ後編はほぼずっとウルウル。
ラストでは嗚咽が漏れるほど泣いていたのはさすがに我ながら過剰だなと思わざるを得ない。

前後編に分かれているので、当然一度に観る方が多いと思うが、あえて別の日程で観ると、第5話でヱクセリヲンの勇姿やガンバスターの登場シーンがよりグッと来るはず。(発売当時も5・6話は随分待たされたので、そういう演出になっているんじゃないかな。)

とにかく、私にとっては条件反射的に泣ける数少ない作品のひとつ。
カットされたシーンも少なく、(OPとED、「♪ガンバスター」のアイキャッチも話ごとに健在)当時、楽しんだ方々はあらためてあの熱い世界に、シネスコではないので是非劇場の前の方の席で浸ってみて欲しい。

35.36

キレンジャー