「ひまわりの笑顔」フラ・フラダンス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ひまわりの笑顔
スパリゾートハワイアンズが舞台で、フラダンスに奮闘する女の子たち…と聞くと、某映画のアニメ版かと思う所だが、似て非なる。
あちらは実話を基に、スパリゾートハワイアンズ(当時・常磐ハワイアンセンター)やフラガールの誕生物語だが、こちらはフィクションで、新人フラガールの物語。
地元・福島が舞台なので、ずっと気になって見たかった作品(可愛い女の子たちの奮闘劇なのも理由ちょいプラス)。県内の主要市や町では公開してたのに、何故か我が郡○市では公開しなかったんだよね…。
話は本当に王道オーソドックス。
フラガール“だった”姉に憧れ、衝動的に試験に応募。合格し、“フラガール一年生”となった日羽。
…って、ここの展開がびっくりするほど早い。フラガールに私はなる!…と思い立った次のシーン、もうなりました。まあ、フラガールになるまでじゃなく、フラガールになってからが話のメイン。
フラダンス経験は姉の見様見真似でやってみたくらいで、全くのド素人の日羽。
同期が4人。
環奈。神奈川出身。フラダンス全国大会優勝経験の実力者で、真面目な性格。
蘭子。秋田出身。ぽっちゃり体型のムードメーカー。
オハナ。本場ハワイからやって来た。語尾に“にゃ~”を付けるフレンドリーな性格。
しおん。山形出身。人前に出たり喋る事が苦手な内気な性格だが、踊る事が好き。
皆それぞれフラ経験はあるが、日羽だけが未経験。練習でも遅れを取り、なかなか上達せず…。
性格的にもちと控え目で、打たれ弱い所も。何故フラガールになろうと思い、何故合格したんだろう…と、後悔。自問自答。
落ち込み、へこみ、挫折は一度や二度じゃない。
それでも遂にやって来たデビューの日。ところが、珍ハプニングを起こしてしまい、ある意味彼女たちは注目の的。“今までで一番残念な新人フラガール”として…。
練習や経験を重ねる内、日羽の秘められた才能が開花し始めて…っていうのじゃなく、本当に終始不器用な女の子。
同期4人も個性やクセがあって、褒められるほど才能ありって訳じゃない。
そんな彼女たちが、各々頑張る。
最初は全く足並み揃わなかったが、同じ釜の飯を食べる内、同期として仲間として、確固たるものを次第に育んでいく。
一人前のフラガールになっていくというより、彼女たちの友情、少しずつの成長や自信を得ていく様が描かれている。
なので、見ている側も自分と重ねたり、共感し易い視点になっている。
スパリゾートハワイアンズに行った事あるのはまだ子供の頃で(それこそ常磐ハワイアンセンター時代)、現在のハワイアンズをこの眼で見た訳ではないが、TVの映像などで見るハワイアンズを完璧に再現。
劇中“アクアマリンふくしま”も登場し、こちらは何年か前に行った事あるので、再現ぶりに感嘆。
他にも県民なら分かるネタ(駅や大型スーパー)にニヤリ。
可愛らしくて、笑えて、感動も出来て、後味も爽やか。フラも魅力。好編だが、色々詰め込み過ぎた感は否めない。
日羽たちの奮闘劇だけで一本の作品になれる。そこに、
福島の魅力、フラの極意、同期各々のドラマだけでも一つのエピソード出来る。先輩ダンサーのあやめも然り。先輩社員・鈴懸への淡い恋。デビューの汚名返上として出場したフラ全国大会への挑戦。
中盤、アイドルグループのショー。何故一曲丸々見せる?…と思ったら、一応クライマックスの全国大会への伏線…?
…などなどなど、これらの要素を織り込んでいるものの、今一つ巧みとは言えず、それぞれ並べ立てたようで、描き足りなさや物足りない点もあった。
そんな中で、もう一つの軸と言えるのが、姉との関係。
姉・真理。フラガールとして活躍し、日羽が幼い頃から憧れていた存在。もうお姉ちゃんLOVEってくらい。
見てすぐ察しが付いた。姉は故人。その死の原因は、あの未曾有の大震災…。
以来両親の顔から笑顔が消えたが、ある時フラを踊ったら、久々に両親が笑顔を見せた。
フラを踊ると、皆が幸せになる。元気になる。笑顔になる。
それこそ、日羽がフラガールになろうと決心した理由。
フラで皆を笑顔にしたいから。
実力はまだまだだが、入社試験で志望動機を聞かれ、そう答えた気持ちと魅せた笑顔に偽りはない。
実際、たくさんの辛い事や苦しい事をフラフラ経て、その中で見つけた尊いもの、幸せや楽しさ。それを一杯表現して一生懸命踊る彼女の姿は、見る人を幸せにさせる。元気にさせる。笑顔にさせる。
劇中、突然動き、喋り出すハワイアンズマスコットキャラクター、CoCoネェさん。
何と!亡き姉の魂が中に入って…というファンタジー要素はさておき、
先輩ダンサーのあやめが付けている芸名“プアラ”。
元々亡き姉の芸名であり、同期だったあやめが引き継いだ。
“プアラ”には意味がある。
“太陽の花”。つまり、“ひまわり”。
姉妹の名前にも意味が。
“日羽”と“真理”。これを並べ入れ替えると…
踊っている時はいつも一緒。
ひまわりの笑顔で。
またスパリゾートハワイアンズに行きたくなった。
今年は行きたい、今年こそ行きたい…と思いつつ、なかなか行けない。地元福島とは言え、そうそうちょくちょく行けるもんでは…。
正直全体的には採点3・5ってところだが、そんな気分に浸らせ、地元贔屓も加味して、大おまけの採点4としました。
ご返信ありがとうございます。よろしかったら私のレビューのコメントご覧ください、ゴミゴミしていない福島県最高でした。ただ車🚗にこだわりすぎるのが玉に瑕でした。足として絶対に必須ですが、今のスマホネット時代、若者は車の費用を捻出できるのか心配です。当時は「いわき明星大学の学生」も皆車持っていました。ありがとうございました失礼します🙇♂️🙇
鈍臭すぎるところが良かったです。CoCo姉さんでした購入した人形は。おっしゃるとおりいろいろ詰め込み過ぎですが、それだけ制作者の思いも強かったのだと思いました。山形の女の子痩せていくのも良かった。震災の傷の深さと主人公のぱっとしない鈍臭いけど、葛藤努力、不器用な恋。感じるものがありました。スパリゾートハワイアンズ常磐興産、コロナに負けないで欲しいです。イイねコメントありがとうございました。よろしかったら私のレビューのコメントご覧頂くと幸いです。\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/\( ˆoˆ )/。