「震災から10年の節目 特別なアニメへ」フラ・フラダンス まつ©さんの映画レビュー(感想・評価)
震災から10年の節目 特別なアニメへ
吉田玲子さんが脚本するだけあって、感動するシーンはいくつもありました。
しかし、肝心の中身が薄い。
今回は自分が気になったところを書いていくので、物語の感想を見たい人は別のところへ。
まずフラダンスの良さや拘りが全く伝わらない。
せっかく認知度が少ないジャンルを題材にしてるのに、さわりの部分しか紹介しないから、ただのダンス練習してるようにしか受け取れない。もっと「特別にこんな努力が必要なんだ〜」と思える作品になって欲しかった。
あと主人公の同期4人のうち、2人だけ物語においてけぼりなっていること。
滝川蘭子というぽっちゃりした秋田出身の女の子。
自分の体を自虐ネタにしたり、みんなを励ますムードメーカー的存在。
夜にランニングしてるシーンもあって、ダイエットしてるのかなと思いきやそういう場面はなかった。
白沢しおんは人前に立つのが苦手な女の子。
ダンスは上手いが笑顔を作るのが苦手といういかにもなキャラ。
この子こそどう克服するのか?一番気になるところなのに、マスコットキャラの中に入って踊るだけしか見せ場がない。
何故かフラ女将(温泉宿で踊る女将)が好きらしい。
他2人はカップリングとも言える展開があったりと、ストーリーに関わっているのに、蘭子としおんだけ明らかにネタキャラになっており、もう少し個性を大事にしてほしかった。
東日本大震災から10年が経ち、被災地をモデルにしたアニメが無かったと言っても過言ではない。
そう考えると世代問わず観れるのでオススメ出来ます。
音楽に関しても凄く良くて、大島ミチルさんや劇中歌で登場するアイドル『いついろディライト!!』は、アイカツを思い出させる演出で素晴らしかった。
お涙頂戴の映画になるなと思っていたが、割りとスポ根で面白かった。個人的にはフジテレビが共催なので、1クールでTVアニメにしても面白いかなと思います。