劇場公開日 2021年9月10日

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「ミニシアター運営のリアルが観たかった」浜の朝日の嘘つきどもと Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ミニシアター運営のリアルが観たかった

2021年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

一言で言えば、自分はハマらなかった。絶賛の嵐に呆気にとられる。

ミニシアター運営のリアルな苦労話を見せてくれるかと思いきや、いきなり“閉館”から始まる時点で、映画としてガッカリだ。
奇跡的に“再開”できた後の、集客のための戦略の話もない。“ちゃんとしたラインナップを”というお題目だけで、具体的内容がない。
閉館から再開までの期間のストーリーであって、営業中の話ではないのだ。

監督やプロデューサーが、本当にミニシアターの実態を知っているのか、と疑わせる作品だ。
知っていれば、もっと生臭く、具体的な話が盛り込まれるのではないだろうか?

「ベトナム人実習生」と「先生の恋愛話」や、主人公の「家出」など持ち出しても、内容が薄まるだけだ。
すべて、ミニシアターという本筋からの“脱線”でしかない。一体、どれだけの時間をこの“脱線”に費やしたのだろう。
むしろ、「ミニシアターの存続」はサブテーマであって、人間模様をメインに描きたかったのだろうか?
だとすると、自分は完全に勘違いをしていたことになる。こんな映画と知っていれば、決して観に行かなかった。

高畑充希だけは素晴らしかった。長時間、高校生役をこなすとは驚きだった。
あとのメインキャストは、とても観ていられない。観客の目が肥えない限り、日本映画の未来は暗いだろう。

結局、「映画館って必要だよね」という、ただの“きれいごと”だけのフワフワした作品だった。
「モギ・リコ」には笑わせてもらったが、それだけだった。

Imperator