「あらゆる意味で中途半端な映画」日本独立 Hirohito Yasodaさんの映画レビュー(感想・評価)
あらゆる意味で中途半端な映画
あらゆる意味で中途半端な映画で、楽しめなかった。よく知られた史実と逸話(GHQダジャレ、ハバナ葉巻など)の羅列で、歴史好きには淡白すぎる。白洲次郎も吉田茂も決め手に欠き、誰の視点で見るか迷う、全員がサブのような脚本。アメリカの占領政策の矛盾と憲法押し付けを訴えているのだとしたら迫力不足。ベアテ・シロタは軽薄なお嬢さん、松本国務相は頑固オヤジにしか見えない。エンディングも、そんな終わり方でいいのかと思う肩すかし。小林薫を吉田茂にした特殊メイクや、憲法調査会での美濃部達吉の場面など、楽しめるディテールがないわけではないが、歴史に詳しい人が見て感動することはまずないだろう。名優を揃えているのに惜しい。
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