「結果的にはマッカーサーのおかげでソ連や中国による日本の分割統治を防げたのかもしれません」日本独立 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
結果的にはマッカーサーのおかげでソ連や中国による日本の分割統治を防げたのかもしれません
憲法の成り立ちや歴史全般について、過去の少ない読書経験しかなく、ましてや資料を当たっての研究などしたこともない私には、何を語るのも難しい映画です。
ただ、これまでの多くの事実に照らせば、アメリカによる占領政策は、今思い付くだけでも、戦後の日本のあり方に多大な影響を及ぼしています。
例えば…、
①日本の政治は基本的にはアメリカの戦略や意向を最優先してきたこと(これを従属というのか、選択的方針というのか、よく分かりません)
②沖縄をはじめ、一定の地域に偏った負担(基地だけでなく米兵によるレイプなどの犯罪も含めて)と壁(日米地位協定など)があること
③第二次大戦後、戦争や紛争による自衛隊員の戦死者はたぶんゼロ(国際貢献のために海外に派遣されて、現地での病気や帰国後のPTSD等によるものはあるかもしれません)…これは9条のおかげだと思います。
アメリカにはどう足掻いても敵わない、という前提が確固として存在するのであれば、
・強(したた)かに服従したふりをしながら生き残りを図りつつ(生き残るためには他国から好戦的に見られないようにしなくてはいけません)、独立国家としての誇りを持てるようなビジョンや政策で一貫する。
・そのために、なによりも自由を尊重し、他者に寛容で、自立心を養う、そんな教育を重視する。
絵空事のようですが、そういう青臭いことを堂々と主張する政治家ってなかなかいないものですね。
『鬼滅の刃』の煉獄さんの言葉が刺さるのは、堂々とした青臭さが清々しく届くからだと思います。
最近のニュースで見たドイツのメルケル首相の国会での言葉。
『ホットワインを楽しむことの代償に590人の命が奪われるようなことは、私には耐えられない(だから規制を行なう)』
青臭さとは違いますが、発せられていた真摯な思いは同じように胸に刺さってきました。
映画でのマッカーサーの言葉(成熟度について、ドイツも含めたアングロサクソンは45歳だが、日本人は12歳だと言い放ちました)にカチンときた方もおられると思いますが、少なくとも、今のドイツと日本の政治リーダーについての成熟度にはかなりの差異を感じないわけにはいかないですね。
参ったな。