ドライブ・マイ・カーのレビュー・感想・評価
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久々に大人のドラマを観た
「会話劇」
目が離せない
米アカデミーにノミネートされる日本映画ってどんな作品なんだ!と、観ないわけにはいかないという思いだけで観た作品。
日本映画独特の雰囲気が流れる中、冒頭から文学的かつ官能的。そこから引き込まれて目が離せなくなった。
内容は一言でいうとよくありがちな、遺された者達が各々の想いを持ちながら、過去を振り返りながらも少し寄り添ってこれからを生きていく系。
だが、家福とみさきの初対面からの関係性がすごく丁寧に描かれている。つかず、離れず、ごく自然に心を寄り添っていく。
言葉をかわした数でもなければ、一緒にいた時間の長さでもない、居心地の良い空間が2人の間でごく自然に流れていく。
印象的なセリフは
みさきが言った奥様に秘密なんてなくて、旦那を愛したのも、男を求めたのも、全てその人だった的なセリフ。
人は、特に愛している相手なんていうのは相手の気持ちを知りたいのとは裏腹にどんどん相手の事がわからなくなっていくけど、複雑にしているのは自分自身なだけで、本当はもっと単純だったりする。
いい映画だった。
アカデミーも楽しみ。
映画評論家の評価が高くても人に薦めるかって言えば微妙・・・
リバイバル上映レイトショー『ドライブ・マイ・カー』
公開時も上映時間が長いからなのか、タイムスケジュールに合わず・・・
リバイバルになってからも朝イチのみ、、、、って諦めてたらレイトショーやってました。
アカデミー賞ノミネートの邦画作品って事で、観とかないとって事で、179分チャレンジw
簡単に言えば2部構成って感じで、序盤は奥さんとの話で・・・・
その後は、急死した奥さんの事を引きずりながら葛藤する主人公と訳ありドライバーの話
中盤は、舞台演出のシーンが延々と続きますが・・・・
私的には岡田将生さんの熱演の方が、インパクトあり!!
ただ評価が高くても人に薦めるかって言えば微妙で、映画としてはやっぱり長い。
アジア初のアカデミー賞作品賞を獲ったパラサイトと比べると・・・・
パラサイトの方が、メリハリあって面白かったです。
ザ村上春樹
三浦透子さんを見守る映画
チョコミミで知った三浦透子さん、すっかり大人になった姿が楽しみで視聴しました。
ラストでちょっと美しくなった姿にはほろりと来ました。危うく下手と思われそうなぶっきらぼうで表情の無い演技からみさきという人物の心の影をひしひしと感じました。この映画は彼女の心の動きを静かに見守る映画だと思います。
西島さんはいつも通り何やっても西島さんなので置いておいて。
岡田将生くんのゲスっぷりは良かった!「悪人」以来彼にはずっとゲス役をやっていてほしいくらいです。
残念ながら奥さんには何の魅力も感じませんでした。雰囲気も喋り方も声も、せっかくラブシーンだらけなのに体にも。なぜ西島さんと岡田将生くんが執心したのか全く謎でした。
一番良かったのはエンドロールの音楽ですかね。
本家アカデミー賞を始め、名立たる映画祭を席巻したのも納得!!!
村上春樹の短編小説集「女のいない男たち」に収録された短編の映画化であるが、カンヌ国際映画祭脚本賞を始め、今年のアカデミー賞に日本映画として初の作品賞としてノミネートされたのも納得のまさに会心の出来栄え!!!
観るまでは3時間の長丁場を始め、村上春樹独特の理解不能な世界観(?)等々、ネガティブなイメージが先行したが、全くの誤解であった・・・・・・・!
特にこれといった感動シーンがあるわけでもなく、またお涙ちょうだい的な要素も無い中で、一気に見せられてしまうこの濱口竜介監督の演出力には本当に脱帽!!!
またその演出に見事に応えている西島秀俊を始めとするキャストにもただただ拍手!!!
最近のアカデミー賞は非英語圏の作品がオスカーを取る事が続いているが、是非ともこの「ドライブ・マイ・カー」にもその一役を担って欲しい、切に思える納得の逸品である!!!
半ばがやや長いか
スローな時間で生きてる人と西島秀俊好きなら楽しめるかも
淡々粛々と生きていきましょう
生きていきましょう。
ホッと息がつけるまで。
久しぶりに邦画で号泣した。
多分、30歳過ぎて、ひとしきり色々な経験とか人間関係とかを味わっている世代になれたので、この映画を観て響くものがあったのかと思う。
一生懸命に生きるとか、前向きに生きるとか、感動とか失敗を悔いるとか、そんなものがどうでも良くなる世代になったので。
日々を消費するって言葉が身に沁みる歳になったので。
大人になったんだなぁ。
と言う、どうしようもない現実があって、自分の感情ですら飲み込まなきゃ生きていけない分別がつくようになってしまった。
しかし、きっと評価は割れる作品かなと思った。
淡々と繰返される録音テープ
抑揚のない台詞回し
肌色の多いベッドシーン
淡々と進む会話劇
映画を見慣れている層にはウケると思う
アカデミー賞も映画を作る側の人間が選ぶので、ノミネートは納得できる。
近年のアカデミー賞の傾向と対策をバッチリ抑えた、教本のような映画だった。
宗教観
他人種の俳優の起用
身体障害者やマイノリティ層の俳優の起用
その土地でしか語れないエピソード性
CGを使わない生の役者の演技
脚本、伏線の回収や場面展開の奥行き
邦画で世界を視野に入れて作品作りをする時に欠かせない要素がこれだけ散りばめられていた。邦画でこれだけのグローバルな作品が作られたことが嬉しい。
村上春樹が原作と聞いて、正直なところ自分語りの回りくどいエピソードを延々と見せられるのかと覚悟して劇場に足を運んだが、今作では村上春樹節はなりを潜め、良い意味で見やすい映画となっていたと思う。
近年では本当に心に残った作品。
DVDや配信もされていますが、話題作なので劇場で観ることもできます。
2021年度アカデミー賞作品賞にもノミネートされた秀作です。
きっと作品賞を獲ると予想しています。
是非、劇場でご覧ください。
自分の暗部を突きつけられる重たいが必要な映画だった。
長い。
原作をかなり膨らませている。
特に赤いサーブが出てくる前までは危うく寝そうになった。
亡き妻の台詞に抑揚なく、絡みもピリッとしなく退屈だった。
裏メッセージで家福との生活は幸せだが死んだようだとでも言いたかったのか?
原作では黄色サーブだが映画では赤に。
妻の死後、サーブが登場してからは引き込まれていった。
三浦透子は役柄上押さえた演技であったがリアルに成立していた、達者なのだろう。
エンドロールまでの時間、重く長い時間が流れるが苦痛ではない。
ネタバレは書けないが、
罪悪感を持っている理由を自ら暴き出し再び歩きだす。
誰でも人を傷つけたことがあるはずで、それが相手の死に自分が関わってしまったと思っているが、犯罪ではないため日常の中に埋没していく。
しかしケリがついていない傷は決して消えてくれない、自分を許していない。
そこからどう再生するかが描かれている。
哲学的な言葉のやり取りも深い。
普段、誤魔化して暮らしている自分の暗部を突きつけられる映画だった。
感じるままに生きて、そして素直に表すこと
周囲にいつも笑顔と元気を振りまいていた、辛抱強いシングルマザーの知人を思い返していた。
その方は、40代にして癌で亡くられた。
祖父は品格を重んじ、慎ましく穏やかな暮らしに勤しみ、また他者に対して非常に寛容な人であった。
最後は胃癌で亡くなった。
嘘、誤魔化し、過度な無理や我慢、
目には見えないブラックボックスに投下されたそれらのエネルギーは、消失することはなく、確実に溜まり、小さく小さく自身を蝕んでいく。
身体症状なら表面化しやすい分、まだ対処も改善の為の行動も起こしやすい。
では、心は?
自分以外には触れられず、見つけられず、時に自分でさえも見失ってしまう。
けどそれは、決して消失したわけではなく、確実に積み重なっていき、そしてある時突然、破裂してしまう。
バーンアウトもその類。
人間の身体も、頭も、心も、更に視座を上げれば地球や自然も、嘘や誤魔化しは効かず、適正な許容サイズの中で淀まぬよう絶えず蘇生と修復を繰り返しながら営んでいる。
不自然なままに放置しておけば、それ相応の形が訪れるということ。
それもまた運命と嘯いて繕うのか、不恰好でも自分に正直に生きるのか。
正直に生きる、弱さも醜さも認めて受け入れて、ちょっと晒して、それでも這いつくばって生きる、、ことが出来たなら。
どう生きても、運命はやってくる。
走らせよう、自分を乗せた車を。
虚構と現実について
今日は、水曜日という週のまんなかの祝日だった。夫婦で日比谷に映画を見に行った。
話題になっているDrive My Carという映画だった。僕の好きな村上春樹という小説家の短編を基礎に魅力的な枝葉を加えた面白い映画だった。
そのあと八重洲の中華料理店でランチを取りながら、kindleで原作の小説を読み直し始めた。
どこが村上春樹の原作の幹の部分で、どこが、映画的な枝葉の部分なのかをフレッシュな記憶の中で切り分けるのは面白い。
原作のある映画がすべて忠実に原作の小説を再構成する必要があるわけでもないし、そんなことは当然不可能である。
しかしこの映画は、一番幹のところを大切にしながら、映画的な枝葉の部分がかなり逞しく繁茂していく感じがあってとても良いバランスのような気がした。
ただ3時間という長時間。少し、長すぎる気はした。何事も短いものを良しとする社会的流れの中で、僕の忍耐力も日々脆弱になっているせいも大きい。
なんどか、睡魔に襲われた。
しかし、かなり太い枝、まるで幹のような規模の枝である劇中劇「ワーニャ叔父さん」のワークショップから上演までの流れはこの映画の最高のパーツだった。
原作の幹の部分の虚構を厚くするドラマの部分の演技のわざとらしさに比べると、舞台で演じられる虚構の中に現れるリアリティが素晴らしかった。
特に劇中劇の最後で、韓国語の手話と日本語で語られるシーンの美しさは過去に見た映画の中でもっとも美しい場面だった。
この映画のどこが、アメリカの比較的知的な人種の心を癒しているのだろうかというのが映画を見終わったときの感想だった。
ようやく鑑賞(^_^;)
邦画としてはよい方。
原作を読んでからもう一度見たい映画。
村上春樹の作品には人間らしい普通の感情にとらわれない内容の深い話が多いから反動で結論がああなったのかなと思った。
結局普通の人のように素直に反応して折り合いをつけながら生きていくしかないのかな。
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