「間が良い」ドライブ・マイ・カー トミーさんの映画レビュー(感想・評価)
間が良い
他人がどういう人生を歩んでいるのか?
また、自分と比較した時にどうなのか?
そもそも比較する意味なんてあるのか?
私は、家福、音、みさきの何れの登場人物も、自分の人生の中に代役が居ます。
なので、全く違和感無く没入しました。
家福の様に、壊したく無いから気付かないフリをしてやり過ごす人
音の様に、大切な人が居るのに軽薄な関係を重ねてバランスを保つ人
みさきの様に、冷静に分析出来ていても、結局『静観する事』を選ぶ人
私は普段から本質ばかりに拘って生きていますが、それが正義では無いのかも知れないと思えた作品でした。
最近見た動画で、伊集院光さんが仰ってたんですが、
「その時は楽しかった事なのに、後に振り返った時に『改めて楽しかった』と回想する人と『地獄だった』と考える人が居る、、、」と。
私はその言葉を、「なるほどなぁ」と自分の人生にあてがって受け入れました。
人は何かと向き合う時に、その時時点の等身大の自分で臨むと思います。
私がこの作品を見た時は、
先ほどの伊集院光さんの言葉を聞いた後というのもあって、それまでより感じ方をより深く掘り下げられたのかも知れません。
そして、度々出てくる喫煙シーン。
百害あって一利なし
そんな事を言う人に是非見て欲しい。
煙草を吸うという所作が生み出す、なんとも言えない独特な間を。
利しか無い。
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