劇場公開日 2021年8月20日

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「死者の弔い方」ドライブ・マイ・カー 高之さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0死者の弔い方

2022年5月24日
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客観的には自己に責任のない喪失でも当人は重い罪悪を抱える。他者は「仕方がなかった」「君は悪くない」と簡単にいうが、その辺りの葛藤など当人は随分前に完了し、その上で罪悪を抱えているのだから、そんな慰めは無論胸に響かない。

失った人との思い出は「良い思い出ばかりである」と『思わなければいけない』という強制も罪悪感の複雑さに拍車を掛ける。長い間生活を共にした愛する人との記憶が「良いものばかりであろうはずがないのに」。

『音の死んだ(耳栓をしたかのような完全な静寂)世界』でのまっとうな死者の弔い方、罪悪感の落とし方は、必ず僕らの人生にもいずれは必要となるのである。

高之