「僕たちは大丈夫だ」ドライブ・マイ・カー くりさんの映画レビュー(感想・評価)
僕たちは大丈夫だ
声に惹かれる。
今まで出逢った人の中で
何人かいる一人でした。
霧島かれんさん
本作は、
動作音と代替表現を
時間経過の前後差の変化で
伏線や意味を
多く含ませている事にきづいて
その解釈に引き込まれました。
アパートのドア鍵の開閉音
ドライバーの傷
妻の相手
聞き逃すまい
見逃すまいと。
でも、一番の魅力は
人が持つ物語が
関わった人に伝播して
織りなし広がり
落着くところに収まるところ。
それはまるで
考えぬかれた
多彩なメロディで構成された
音楽のようでした。
私が作中で知った生き方の
レシピで
いいなと思った要素は‥
sexの後に紡ぐ物語を
語る本人が忘れて
聞き手が残して作品にする、
一方、
舞台セリフのテープ起こしを
妻がして、夫が暗記に使う。
というように
ライフワークを補完することで
おたがいが必要とする暮し。
日本語、外国語、手話という多彩な
コミュニケーションをキャストが
使う。
世の中には、
こんなたくさんの心の表現方法が
あるけど、心を通わせるのは難しい。
けども、
ドライブでの二人のように
思いを相手に表現することで
人とのつながり方は
変えられるんじゃないかと。
自己保身の間接的殺人者に
なってしまった者の
再生を
すでに再生している広島の街の
シンボルと対比させて
二人の心を通わせるきっかけ
にしている。
ラストシーン
自分が人生で知り合った
良いと思ったものに
囲まれて
変えたいものを
置き換えて
生まれ変わる姿。
次に踏み出す一歩が欲しいとき
観たい作品ですね。
おすすめ。
私の長〜いレビュー、読んでくださりコメントもいただきありがとうございました。
〝次に踏み出す一歩〟いい言葉ですね。
空気を動かし未来をめくる
そんな前向きさを感じ心地よくなるくりさんのレビューでした。
こんばんは。くりさん。
みかずきです。
共感ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
レビューを書く際の励みになります。
さて、本作、喪失と再生という主軸はしっかりしていて、
主人公、みさき、高槻の会話劇を通して主軸が、
邦画らしい繊細さ緻密さで描かれていました。
海外で脚本賞を獲るのも納得でした。
手話を含めた多言語会話劇の部分は賛否が分かれるとことだと思います。
多様化する世界を作品に取り込もうとする意図は、意欲は理解します。
しかし、邦画にとって大切なのは、邦画らしさだと私は思います。
邦画らしい邦画に拘って欲しかったと思います。
では、また共感作で。
-以上-
くりさん
こんにちは。
コメントへの返信を有難うございます。
淡々と描かれているようで、根底に熱いメッセージや様々な想いが込められている作品でした。
サンルーフを開け、二人でタバコの煙を燻らせるシーンが印象的でした。( 煙草嫌いですが、作品の中では映えますよね😅 )
くりさん
「おたがいが必要とする暮し」(おたがい『を』ではなく、おたがい『が』なのですね 🤔 )、「 すでに再生している広島の街 」、という思いが込められていたのですね。
作品への理解がより深くなりました (^^)
とても素敵なレビューで、心打たれました。
再生の物語の舞台が一度壊れた広島であったことに大きな意味があるのですね。アカデミー賞を獲れた要因の一つかもしれませんね。