劇場公開日 2021年8月20日

  • 予告編を見る

「真面目な良作ですね」ドライブ・マイ・カー ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真面目な良作ですね

2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

約3時間の長尺かつ地味なストーリーであるにも関わらず、飽きさせず最後まで引っ張る監督の力量はお見事。演技も映像も、控えめなBGMも、すべてが調和していて良し。
例え愛し合う相手でも、他人の心の中には深入りすべからず、というメッセージには納得しました。
アカデミー賞の権威など、私にはどうでも良いし、受賞作品には食指が動かないものが多いのですが、本作は短い予告編で好みに合うかもしれないと感じたのが正解で、劇場で観て良かったと思えました。
ただ、劇中劇が多国語で演じられるのは、私には気が散るだけでした。原作は、作者が好みでないため未読なので、本作が原作通りの映像化なのだったら失礼な誤解に当たりますが、もしも、アカデミー賞の審査員にウケるためのあざとい手段だったら興ざめです。

ぱおう
ぱおうさんのコメント
2022年4月25日

みかずきさん、レスありがとうございます。
移住をお勧め頂いたので登録しましたが、慣れてくると確かに使い勝手が良さそうです。
本作は着眼点が面白い一致でしたが、どちらかと言えばネガティブな共感になりましたね。
私は、基本的にエンタメ系好みで、渋かったり重かったりする作品は苦手なのですが、本作辺りが境界線かもしれません。
次回は、スッキリと「いやあ、良かったですね」で盛り上がれる作品で交流出来たら嬉しいところです。
また宜しくお願いします。

ぱおう
みかずきさんのコメント
2022年4月24日

こんばんは。ぱおうさん。
みかずきです。

コメントありがとうございます。

本作、私も、ぱおうさんとほぼ同様の感想でした。

前半の、妻と主人公が作っていく脚本の内容には、
掴み処がない、付いていけないものを感じました。
原作未読なので分かりませんが、原作の村上春樹小説の世界観を反映したものと推察しました。やはり、私には村上春樹は合わないと実感しました。

亡妻への喪失感を抱いていた主人公が、
専属ドライバー・みさき、舞台劇俳優・高槻との会話を通して、
自分を見つめることの大切さに気付いていくところは、
地味ですが、邦画らしい緻密さ、繊細さを感じました。
この会話劇の部分は、脚本の完成度の高さも感じました。
海外で脚本賞を受賞するのも納得でした。

問題は、手話を加えた多言語劇ですね。
ここで、邦画らしさは一気に希薄なってしまいました。
ここは、世界の多様化を作品に反映しようとしているようですが、
単に、手話を含めた多様な言語をかき集めた舞台劇で、世界の多様化を反映したと言えるのでしょうか。私は違うと思います。
世界の多様化に対する日本の現状、実態を描いて欲しかったです。
それが世界の人達が知りたいことだと思います。

あとは、ラストシーンでしょうか。
ヒントになるものはあっって、観客に考えさせるという手法だということ理解できましたし、私は私なりのストーリーを構築できましたが、意味不明で混乱した観客の方もいたと推察します。自己主張の強い欧米人が好む手法かもしれませんが。

アメリカ・アカデミー賞で国際映画賞を受賞した邦画・おくりびとは、
極めて邦画らしい作品で、日本人の生と死に対する考え方を浮き彫りにしていました。パラサイトも韓国映画らしい作品でした。

邦画らしさというアイデンティティは、大切にして欲しいです。

では、また共感作で。

-以上-

みかずき