劇場公開日 2021年8月20日

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「寡黙さと饒舌さ」ドライブ・マイ・カー hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0寡黙さと饒舌さ

2022年4月23日
iPhoneアプリから投稿

「僕は空っぽなんです」

「自分が空っぽ」とは、どういうことだろうか?

何のために生きているのかわからないとか?
生きる意味とか? 虚無感とか?

「自分が空っぽ」って、見た感じ、中身がみっちりつまってますよ。

「自分を探しに」って、そこにいるじゃないですか。

いわゆる「火サス」とか「土ワイ」は、台詞ですべて語っちゃうのだから、誰が見ても同じ解釈になる。
ああ、そういう事情で、そうなっちゃったのね。
楽だ。想像を巡らす必要もない。

この作品、あれ、ちょっと台詞で語りすぎじゃない?と感じるシーンがある。

寡黙だった者が、饒舌に語り出すとき、観る者が、その饒舌さを削ぎ落として、本来の寡黙に戻していくと、そこに、生きる、生きていく、が、現れ出てくる。

このドライバー、天気の子で、RADWINPSをバックに歌っていた方だそうです。放り投げられたライターのキャッチを見れば、運動神経の良さがわかります。大学で数学を専攻したとか、もう嫉妬しかありません。

hideaqui