「チェーホフが埋める喪失感」ドライブ・マイ・カー Toshiyaさんの映画レビュー(感想・評価)
チェーホフが埋める喪失感
四半世紀来の村上春樹読者でありファンですが、チェーホフ戯曲は読んだことも観劇したこともありませんでした。村上作品は陳腐な言い方ですがその喪失感に共鳴し、その隙間を埋める工程、過程にこそきっと生きることの意味が見出されるものなのだろうと受け止めていました。劇中劇であるチェーホフ劇に、村上作品を読んで自分が埋めようとしていたその喪失感を埋めるべき生き方とその意味がそのまま語られていました。驚き、自分の無教養を恥じました。濱口監督とこの作品に感謝です。映画として映像も印象的でした。演劇にも行かなければもったいないと思わせていただきました。ほんと、良い映画でした。
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