「短篇を3時間弱に改変する脚色力」ドライブ・マイ・カー カメさんの映画レビュー(感想・評価)
短篇を3時間弱に改変する脚色力
個人評価:3.9
50頁にも満たない短篇の原作を、3時間弱の物語に改変する。
ほとんどのシーンは原作にない場面ばかりだが、台詞回しや、村上春樹特有の静かなる旋律は、しっかりと本作に息づいている。
そして原作のテーマに監督がさらに付け加えたモノとは。
原作では描かれなかった家福とみさきの過去やその後。それらはまるで村上春樹自身が実際に原稿には描いたが、余分なディテールとして削ぎ落としカットした部分。そう思える程、登場人物にしっくり馴染んだ物語。
また日本語、韓国語、手話など言語を飛び越えた劇団の演出。そこに込めた監督のテーマとは。
オスカーの脚色賞にノミネートされるのも納得だ。
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