「2時間59分の字面ほど長くは感じないが…」ドライブ・マイ・カー CINE LADAさんの映画レビュー(感想・評価)
2時間59分の字面ほど長くは感じないが…
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濱口監督の舞台挨拶があると知り、気になっていた本作を観に映画館へ。しかしその道中で2時間59分の超大作と聞いて気が重い。作品どうこうの前に、腰が痛い、喉が渇く、眠い、結局何が言いたいの?という印象が強いのだ、ずるずると長い映画には。こいつは苦行だぜ。
しかし正直言って3時間席に座っていた感じはしなかった。それぐらいの充実度がある作品なのは間違いないだろう。村上春樹作品はノーベル文学賞を獲ったら読もうと思っているぐらいに興味ないし、西島秀俊は相変わらず西島秀俊でしかなく、それでいて許容範囲内。つまりだから純粋によい作品なのだ。
三浦透子も良かったけれど、韓国手話で表現し切ったパク・ユリムがもの凄い。最後の舞台シーンも含めて、演技は言語ではなくて(寧ろ言葉すら発しない)魂なのだと恐れ入るしかなかった。彼女の演技だけでも観る価値があるだろう。
だからこそ、やはり全体的に冗長だと言いたい。家福による、好きだけど本気で向かえなかった。好きだからこそ逃げてしまった。会いたい。面と向かって文句を言いたい。これだけで音に対する気持ちは十分だ。自分のせいで死んだなんていうクラシカルな設定と、「そうやって生きていくしかない」的に陳腐な回答は排除してしまえば、2時間23分ぐらいに収まっただろうに。こういう冗長さが村上春樹的なら仕方ないのかもだけど、多分そういうこともないのでしょう。多分。
早く村上春樹作品読みたいな。そしたら感想も変わるかしらね。また来年に期待しましょう。
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