「こういう作品の観方が未だに分からない」ドライブ・マイ・カー Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
こういう作品の観方が未だに分からない
オープニングで霧島れいかが語る話を「どこかで聞いたことあるな」と思ってたら、つい最近、原作読んでた。でも内容はほとんど忘れてたな。
三浦透子の運転手も出てきて「そういえば、そんな短編もあったな」と思ったの。
原作・村上春樹にしてるけど、そこをベースに、新しい話を作ってるよね。違うかな。原作を読めてる自信は全くないので、違うかも知れないな。
西島秀俊の演技が淡々としてて《2/デュオ》っぽいなあと思ったの。
みんな淡々と演技するよね。劇中劇の読みあわせでも『感情を入れずに読め』って言われてて。
『ロボットのように』みたいな台詞も出てきて、「これ、モデルは平田オリザなのかな」と思った。青年団の松田弘子さんも出てるしね。
劇中劇の多国語で上演されるチェーホフは面白そうだけど、これ観るのしんどそうだな。舞台の俳優の演技に注力したいけど、後ろの字幕みたいと訳が分からないよね。チェーホフのテキストを完全に頭に入れてから観るのか。
終盤で、西島秀俊と三浦透子が、三浦透子が生まれた街へ行って、そこで再生を果たすんだよね。車中の会話で『君のせいじゃないと言ってあげたいが、言えない。君は母さんを殺し、僕は妻を殺した』が良かったなあ。
きっかけになるのが岡田将生の傷害致死だけど、岡田将生の役は必要なのかな。良く分からなかった。オーディション合格の時点で「この役、最後は西島秀俊がやることになるんだな」と思うしね。
車も主演の一人だね。滑るように走る画が全部良かった。
画は綺麗で良かったね。清掃工場の海辺で話すところとか「計算されてるなあ」って構図だったし。
観てて、面白いし、それだけで良いんだろうと思うんだけど、この手の作品は未だに「解った」って感じがないな。面白いと思ったから、それでいいか。