「死者の分人」ドライブ・マイ・カー いたやんさんの映画レビュー(感想・評価)
死者の分人
身近な人が亡くなったとき、その空白とどう向き合っていくのか、そんなことを考えさせられる作品だった。その人とどんなに親密な関係を築いていようと、自分が知っているのはあくまでその人の一面だけであり、それが全てではない。他の人に見せていた素顔、いわば他の分人を知り、それを受け入れられるか、非常に難しい問題だと感じた。
終盤では演劇を通して、身近な人の死があってもなお、1人の人間として生きていく使命を優しく説かれているようにも感じた。暴力で物事を解決しようとした高槻とは、対極の位置付けだ。
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