「脚本も役者も素晴らしい!!ただ、少し難しい。」ドライブ・マイ・カー きゃみさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本も役者も素晴らしい!!ただ、少し難しい。
正直、まだこの映画を自分の中で消化できていない。
こんなに長く余韻に浸っているのは久々かも。
3時間、あっという間だった。
もう一度見たい、何度も見たい。
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作中では、「演劇」が重要な役割をもつ。
劇中劇として「ワーニャ叔父さん」がでてくるが、この主人公が置かれている状況と家福(西島秀俊)の状況がだんだん重なってくる展開がおもしろい。しかもそれが自然なので違和感がない。
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そして、心情の変化や本心の吐露は、ほぼすべてが車のなかで起こる。車の走行と感情の変化が相乗効果を為して、この映画のなんともいえないスピード感をつくりあげている。
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自分が最も印象に残ったのは、イ・ユナ(パク・ユリム)の韓国手話でのお芝居のシーンである。
ユナの手話がすごく自分の心に届いた。
この映画は最初から最後まで「声」を大切にしている映画だと思うのだけれど、声を発さなくてもここまで心にセリフが届くんだというメッセージを感じた。
ふと、生き辛い世の中だなと感じることがある。生きていると、なんでかわからないけど苦しくなることがある。「ドライブ・マイ・カー」は、そんなときにそばにいてほしい映画だなと思う。
演劇を中心にすすんでいくので、演劇の知識がない私は、正直途中でついていけないところもあった。
演劇に精通しているともっともっと楽しめる作品なのだと思う。
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