「余白の使い方が美しい」ドライブ・マイ・カー よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
余白の使い方が美しい
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この映画は3時間という長丁場ではあるが、語られないことが多い。
音の大事な話の内容、最後の韓国での描写の意味、等々。
実際僕はラストシーンについて、家福とみさきがともに暮らしている(結婚しているとかそういうことではない)と解釈した。
が、しかしこのレビュー欄では他の意見も多数あってそのどれもが納得いくものだった。
僕は残念ながら1人でこの映画を見たので感想を言い合える仲間はいなかったが、複数人で見に行っていたらきっと盛り上がったのだろうなぁなんて思ったり。
この映画は家福を中心に主に3つの場面があると思う。
すなわち①演劇の稽古の場面②高槻との場面③みさきとの場面、これらが入り乱れながら物語が進んでいく。
それらにちょっとした出来事を起こしつつ物語を進めて観客に3時間という長丁場を飽きさせなかったのは見事。
特にみさきとの距離感の変わり方が非常に面白かった。
2人が車の中でタバコを吸うシーンなんか最初の濡れ場よりエロチズムに溢れてる気がした。
見終わった後、急いでドライブマイカーの原作とワーニャ伯父さんがどういうあらすじなのかをとりあえずWikipediaで調べた。
結果この作品にワーニャ伯父さんを絡ませた監督の辣腕さに舌を巻いた。
周りの人に先立たれた人物が苦しくても、それでも生きていかなくてはいけない事を語るラストの劇中劇のシーンは胸が震えた。
手話だからこそ、言葉を発さないからこそ伝わってくる想いもあるのだなと感じれた。
そのせいかこの長丁場の映画を見終わった後には一抹の爽快感を覚えていた。
3時間という時間にも関わらずまた見たくなる。
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