「直ぐに映画館に駆けつけろ!」ドライブ・マイ・カー いなかひとさんの映画レビュー(感想・評価)
直ぐに映画館に駆けつけろ!
クリックして本文を読む
掛け値なしの名作。直ぐに映画館に駆けつけろ。
3時間を超える作品だから、上映前に必ずトイレに行って用を足すこと。
上映初日に鑑賞したかったが、村上春樹の原作をまだ読んでおらず後回しにした。原作を読んで、それほどの作品と思わなかった。これでカンヌ国際映画祭で脚本・脚色賞を取れるものかなと考えていた。
見終わって、66歳になる私が涙目になった。
映画は原作を超えて、素晴らしい名作になっているのだ。原作をにくいほどに脚色を与えて、素晴らしい作品になっている。主人公を俳優から俳優兼演出家に変更している。その妻も脚本家に変えている。その他脚色が全てに当たっている。おまけに、チェーホフの戯曲「ワーニャ伯父さん」を絡ませて、見事と言うしかない。これで作品賞を獲得できなかったのは、その作劇法が欧米人に合わなかったからではないか。丁寧に作られたのが、受けなかったのか。でも、日本人らしくて良い。
ちょっと残念に思ったのは、地滑り後の現場での西島秀俊の演技。感情が籠もっていないように見えた。寒さのせいかなと思った。欠点はこれぐらいか。北海道へのドライブ中、無音になる場面があった。これも効果的だった。時間が止まったのように感じた。
コメントする