「織り重なる人、劇中劇、妻の脚本、現実、多層構造のリアル」ドライブ・マイ・カー kurakoさんの映画レビュー(感想・評価)
織り重なる人、劇中劇、妻の脚本、現実、多層構造のリアル
・余計な要素が多いとの指摘もあるが、この映画で描かれる人間がそもそもテーマとして余計な要素から成り立っている事を突きつけてる。純な要素だけで人はできてない事が、震えさせる映画だなち。
・演じる俳優がバラバラの言語を話す演劇の妙味。
言語が棒読みから感情を乗せる事が劇中劇でも本編でもなされていて、あたかも登場人物が棒読み的ステレオタイプから背景のある影も毒もある立体になっていく事が浮き彫りななる。しかも、それは言語自体で説明不能なものも含む。見事に体現してた劇中劇。
映画や意味を直線的な説明で観るなら、批判しか出ないかもしれないが、
でも、主人公も運転手も岡田も妻も、みんな余計な要素を含んで生きている。
その余計なモノの摩擦が、人生に与える大きさに苦しくもあり、救いでもあり。
そういう立体化された人間劇に震えた。
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