劇場公開日 2021年8月20日

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「スタイルの完成度高し」ドライブ・マイ・カー ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スタイルの完成度高し

2021年8月22日
iPhoneアプリから投稿

TOHOシネマズの日比谷のデカいスクリーンでかかるのが場違いな感じで爽快でした。原作未読。
『寝ても覚めても』がタイトというか窮屈なくらいに今回は原作あっても伸び伸びと(と言っていいのかわかりませんが)作っている気がする。わからないけど原作ベースに本当に私的な興味・関心ごとをぶちこめているのではないでしょうか。
日本人らしからぬディスカッション劇を演劇の稽古を挟むことで現実世界ではあり得ないフィクションを地続きで展開していって東京ではじまり広島に移して東北経由で北海道、果ては〇〇まで車で繋ぐ。移動していても演劇空間は持続したまま。
関係ないけどこのオープニングナイトまでの内側の話は全くテンションの違うカサベテスの映画を思った。
死んだ嫁さんの心の奥底にある闇に向かう主人公。無口なドライバーと響きあって心を開いていくまでのドラマ。とても面白かった。ただ、『PASSION』や『ハッピーアワー』にあるメソッドの先の予想できないグループみたいなのはなかった。ある意味完璧に制御されてる完成度は高いけど、そこが少し不満だったかも。

ONI