「村上春樹が苦手でも」ドライブ・マイ・カー アカドムさんの映画レビュー(感想・評価)
村上春樹が苦手でも
もともと村上春樹の世界が苦手だ。
序盤「あぁ、またすぐセックスで解決しようとする」とウンザリしかけたのだが、西島秀俊を見に来たのでその美しい映像を堪能した。
画面は穏やかに流れるが、脳は思考しっぱなし。
3時間は正直長い。
大変疲れたが、その道のりは必要だったと思う。
言葉は感情を捨てて音となり、後ろ姿だけで人と人とに生まれた「何か」が察せるようになる。
観客もこの2時間半で感覚を鍛えられて、
終盤の車中の独白や、表情や音のない手の動きでメッセージを受け取る事に嘘がないことを知ることができる…ような気がする。
西島秀俊の視点で目の前に繰り広げれた手のメッセージを想像しながら涙が止まらなかった。
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