「他人事ではないメッセージ」ドライブ・マイ・カー いたかわさんの映画レビュー(感想・評価)
他人事ではないメッセージ
妻を亡くした夫の家福。喪失感に苛まれながらも生きていく。そんな中、演劇祭の専属ドライバーみさきや妻と関係のあった高槻との交流から、自分がどうするべきだったか、目を背けてきたことに気づく…
最初の方は違和感、棒読み感もあった。村上春樹原作作品だからか分からないけど、そんな話し方するのかなあ。
でもまあ、途中で慣れた。
本作で家福が気づくことは決して他人事ではない。辛いことも目を背けて耐えるのではなく、自分と向かい合うべき。3時間弱の長尺だからこそゆっくりと深く染み込んできた。
その後の劇内容と家福の心情がリンクしたかのような瞬間は最高に胸が高まった。
ある目的のために、演劇読み合わせ時の感情を捨てた読み方が、終盤の演劇をより引き立たせていたのも良かった。
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