「う〜ん、これは愛おしい3時間だった」ドライブ・マイ・カー エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
う〜ん、これは愛おしい3時間だった
舞台俳優・演出家の家福悠介と脚本家の妻・音の夫婦生活を描く第一章。
幸せかと思いきや少し複雑。
妻の浮気をやり過ごしてきた悠介。
「帰ったら話がある」と言った音がその日に逝った。
音の話を聞けなかった悠介。
早く帰っていたら救えたのではという自責の念。
二年後の広島。新たに舞台を演出することになった悠介と彼の専属ドライバーになったみさきをゆっくりじっくり描く第二章。
赤色のSAAB。
稽古場から宿までの片道1時間。
心地よいみさきのドライビング。
音が吹き込んだ台詞のカセットテープ📼
ワーニャ伯父さん。
そこに悠介とみさき、そして音がいた。
「母を殺した」というみさきの自責の念。母親の被害者だったみさきの意識の中で加害者となる瞬間を思った。
お互いの抱える傷を深く知ることとなる悠介とみさき。二人が背負った十字架は降ろせないけど何グラムか軽くなりそう。
そう、前を向いた清々しいエンディングだった。
今年の日本映画のベストの一本だろう。
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