「大金を無駄に注ぎ込んだC級カルトのハチャメチャ映画。タイムトラベルした先の自分自身と出会ったり殺し合ったりするのが許されるという時点で、その緩さ・ハチャメチャさはお里が知れるわけですけどね。」ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
大金を無駄に注ぎ込んだC級カルトのハチャメチャ映画。タイムトラベルした先の自分自身と出会ったり殺し合ったりするのが許されるという時点で、その緩さ・ハチャメチャさはお里が知れるわけですけどね。
これはカルト映画以外の何者でもないのですが、世の中にあまたあるC級映画とはちょっと違うのが、なんだか無駄にお金をジャブジャブと使っている成金っぽい匂いがプンプン漂う作りだからなんですよね。
メチャクチャお金がつぎ込まれている部分と、日本のコント番組もビックリの安っちいセットとが混在し、キアヌ・リーブスのギャラだって安いはずはないので、大金持ちが金に飽かしてC級カルトを造ってみちゃいました、みたいな仕上がりになっておりました。
ストーリーは、未来の世界が崩壊するのを、たった一つの歌が救ったという設定。
それなのに、その歌が行方不明になっちゃって、そこで、歌を歌ったキアヌ・リーブスとアレックス・ウィンターの仲良しコンビのところに未来の使者がやってきて、さあ歌えというわけです。
でも使者が来た時代の二人は、まだ作曲もしていなくて、そもそも作曲できそうな予感もない。
さいわい、タイムマシンを手に入れたので、すでに自分たちが未来に作曲し終えているはずの時代にワープして、未来の自分たちから曲を盗んでくればいいんだ、とひらめいて、時間旅行を前に後ろにメチャクチャに飛びまくるというお話です。
そもそも未来から二人のもとに戻ってきた使者なら、二人がすでに作曲した直後に戻ればいいものを、いったい何をやってるのやらなんて突っ込みは、野暮なんでしょうね。
とにかく、全編これ「バッカですねぇ」のオンパレード。
時空旅行ネタのタブーを踏みにじる決意を固めてしまえば、なんだってありになっちゃうわけです。
なぜかモーツアルトとルイアームストロングと、あと数名の凄腕作曲家たちでバンドを組んで、ついには世界を救ってしまう。
なんで? という疑問を持ったら、即・負けになる映画でした。
こういうおバカ映画だったので、本編だけなら評価は★3つで十分かなと思っていたんですが、コロナによってすっかり風景が一変した現代を象徴するような洒脱なエンドロールの演出を見て、これはこれは参りましたというので★を一つ、追加させていただきました。
というわけで、最後の最後、明るくなるまで席を立たないほうが良いですよ。