「音楽の持つ影響力の高さを再認識させられる良作。今週おススメ。」ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽の持つ影響力の高さを再認識させられる良作。今週おススメ。
今年60本目(今日、12月19日)。
実は19日(今日)は3本見に行ってきました。そのうち最後がこちらです。
字幕版・吹き替え版とありますが、字幕版を選びました。
ストーリーについてはうかつに書くとネタバレ…というより、「映画のタイトル名」からもはやもうわかるので、書く必要がないというか、うっかり書くとネタバレになりそうですね。
多くの方が「ギャグもの」「お笑いもの」と書かれていましたが、それはそれで1つあると思うのですが(確かに展開としては結構ハチャメチャだったりする)、同時に「音楽という媒体が人に与える力・訴えるところ」をテーマにしていたと解することも可能で、私はむしろその筋で見ています(エレクトーン演奏グレード6級まで持っています)。
確かに表面的に見ればギャグものだとかハチャメチャものだとかという論評も可能ですが、当方がその筋で論じようとは思わなかったのは、やはり「史実」をみても音楽、特に近代~現代音楽が民衆に訴えるところがあった点は史実である点は否定できないからです。身近なところでいえばビートルズの世界的ヒットもそうですし(これに着想を得て作られたのが、「サイレント・トーキョー」。「特集」の範囲で触れられているので、ネタバレではない)、もっといえばいわゆる反戦運動などでも音楽は使われていましたし、反戦をうたうミュージシャンは一定の支持層はありました(裏を返せば、戦争を推し進める国としては、邪魔な存在でしかなかった)。このように、音楽に限らず何らか「芸術性があるもの」は「民衆に訴えるところ」があります。身近な例でいえば日本ではプロアマ限らず文学作品(小説など)や俳句・短歌などがそうでしょう。外国だと、ダンス文化なども含めれば多数あるでしょうね。
その中でも、わりとわかりやすい「音楽」をテーマとして、「みんなで団結することの大切さ」が一つのテーマとしてある(ストーリー展開としてはギャグものになるでしょうが、全体の大きな流れは、「音楽を通じた全体の団結」があります)ものであり(そしてそれは、日本では、中学高校でブラスバンド部を作った仲間が一生の思い出となったり、10年くらいして再開して飲みに行ったり、というようにそのつながりは、よくあるし、今年はコロナ事情でなかったが、音楽コンクールというのも、最終最後は「チームの団結さ」が問われる部分が多分にある)、その点はやはりこう、全体として忘れがちではありますが、再認識する良い機会になりました。
(同じような趣旨の映画では、「カセットテープ・ダイヤリー」がありますね)
減点は下記の0.2だけですが、大きな傷ではないと思うので、5.0まで切り上げています。
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減点0.2 当方、字幕版でみましたが、字幕版でみても、普段音楽に積極的に接していないとわからないような表現・単語が結構多いです。きわめつけはコードネーム(和音展開などのお話)であり(1か所しか出てこないです)、それ以外でも、マイナーな単語(一例をあげれば、「テルミン」。1920年に旧ソ連(今のロシア)で発明された(電子)楽器)が結構多いです。かつ、その説明がまったくなかったりします。もちろん、それがわからないとどうしようもない展開にもなっていない(知っていればお得、程度に過ぎない)のですが、もうちょっとこう、フレンドリーでも良かったのかな…とは思います。
※ 科目としての「音楽」は中学のいわゆる「副教科」としての3年の学習が普通は最後であり、そこでコードネームだのマイナーな楽器だの、そんなことは出てこないので。
ただ、洋画であるからこそ日本語字幕をつけるにあたって勝手に別の単語に入れ替えることもできなかったという点は容易に推測がつく(それは誤訳を指摘されるし、あまりにひどいと日本語字幕として何やってるの、になってしまう)し、最終最後は「国の、音楽に対する教育、文化の違い」という、一個人(字幕担当者)だけではどうしようもない部分に帰するところが多々あり、それをあまりにせめるのはフェアではないかな、とは思いました。
(なので、日本語公開分については、たとえば「テルミン」に「ロシア式電子楽器」と訳しなおすとか、同一性を損なわない程度に、「何これ??」にならないのを回避する程度の裁量権(くらいはあるはず?)を発揮しても良かったのかな…とは思います)。
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