ザ・プロムのレビュー・感想・評価
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LGBQとブルーベリーの心
またもやLGBQの話かと、少しうんざり。
2010年に起きた実話にインスパイアされたストーリーなのに、こんなエンタメに変えるのかと驚いてしまう。
LGBQと一言で言っても、人それぞれのはずで、あまりに単純化していないか?
「今夜は必ず自分のものに!」とばかりに、流行のテーマに食いついて、何でもビジネスにしてしまう商魂はさすがだ。
あまり真面目な意図をもつ作品でないことは確かだろう。
インディアナ州がコケにされているが、マーフィ監督の出身地のようだ(笑)。
しかし、監督の“自虐”ではなく、もとの実話はミシシッピ州の事件で、原作者も違う地域の出身らしい。
では、なぜインディアナ?
この映画は、ど派手な色と、大音響と、やり過ぎなカメラワークによって、ひたすら力で押しまくる。
もちろん自分も、溢れかえるパワーを楽しんだし、徹底的にやり切ったところはスゴいと思う。
しかし、脚本はありきたりだし、テレビドラマ的なある種の“下品”さに満ちている。
そして、この映画に独自の価値があるかというと、最近のインド映画には負けている気がするのだ(笑)。
自分は、オリジナル舞台のライブビューイングの方が観たかった。
ミュージカル映画と、ミュージカルは違う。舞台には、舞台でしか実現できない“様式美”がある。
なお、「日本初のカスタムスピーカー『オデッサ』上映 」(@ヒュートラ渋谷)を観たのだが、音響がひどいこと、この上ない。映画館はディスコではない。
音はスクリーン前方からしか来ないし、床から不自然に重低音が響くし、そもそも音が割れている。
こういう刺激を、「スゲー!」と熱狂できる人ならいいだろうが、ミュージカルの楽しみ方ではないだろう。
ところで、「トニー賞は政治的。個人よりブランド」という皮肉は、本当なのだろうか?
寛容と不寛容、都会と田舎、リベラルと保守、リアルとファンタジー・・・
日本ではあまり馴染みの薄いプロムですが、実はうちの高校にはあったんですよ。男子が女子と手をつなぎ、今ほど激しい音楽ではないものの次々とパートナーを変えていき・・・好きな子がもうすぐ来る!となった途端に音楽が止まってしまうとか、酸っぱい初恋の思い出。音楽はマイムマイムとかオクラホマミクサーとか・・・
それはフォークダンスだよ!
とにかくキスシーンが最高すぎた!将来キスシーン集がまた作られるだろうけど、この作品のシーンもぜひ入れてほしいと願ったほど。ストーリーは、レズビアンの女子が高校のプロムに参加できない事件から、かつてのブロードウェイスターたちが乗り込んで抗議をしようとするもの。しかし、PTAや州の検事の意向によってプロムそのものを中止にしようということになり・・・
これがミュージカル!といったシーンが満載で、メリル・ストリープやジェームズ・コーデンがはじけまくる。さらに、今までメイクやCGによって若作りしていたニコール・キッドマンもスッピンに近い。校長のキーガン=マイケル・キーもPTA会長のケリー・ワシントンも良かった。
そんな中、台詞の中にはヒットしたブロードウェイ・ミュージカルのタイトルが次々と飛び出してくるし、キッドマン演ずるアンジーに至っては『シカゴ』がヒットしてるのに・・・という設定だった。まぁ、タイトルはわかっても、ちょっと知らないのもいっぱい。このプロムという作品だってブロードウェイ・ミュージカルということだ。
笑えるシーンも多く、特にストリープの開き直ったコメディエンヌぶりは良かったし、トニー賞のネタをあれだけ振りまくのも縁がなかったからだろうか、とにかく面白い。ただ、ジェームズ・コーディンはトニー賞授賞式の司会者をしていたりして、ストリープの架空の夫は彼を投影していたのかもしれません。
LGBTQ問題もこれだけ楽しく描ければ、きっと世界は変わるはず。とにかく「隣人を愛せよ」だ!ドロドロしたものもないし、エロティックでもない爽やかなミュージカルでした(2対の熊はエロいかも・・・)。フランクリン・ルーズベルトとエレノアの劇も観てみたいなぁ・・・
期待以上でした‼️
こんなに泣くとは思ってなかったです。
映画観てこんなに泣いたの久しぶりな気がする。いやぁー良かったです、映画館で観て正解でした。また観たいです。楽しいし、それぞれが抱えている問題もあるけど、私達にはエンターテイメントがあるではないかって感じで、でも今だからこそエンターテイメントがパワーをくれてる事に感謝したいし、大事だなと思った。
日常から離れて夢を観る事も大切な事だとこの映画から感じました。
2020年マイベストムービー
物語はLGBTの女子高生のエマがプロムの参加を学校全体の意見として参考を認められず彼女の存在を否定されるところから始まる。
M.ストリープ演じるディーディーとJ.コーデン演じるバリーの二人のスター俳優達は素行や各々の言動等々から世間から良いイメージを持たれておらずメディアにも批評されている事に悩まされている。
そんな時にTwitterでエマの存在を知り、彼女を支援することで各々の社会的評価、イメージを覆そうと行動にでる。いわゆる昨今ハリウッドで目立つLGBT作品である。
ただこの作品の好きな所はミュージカル映画という事もあってLGBT問題を非常にポップに描かれている。
ただポップなだけではなく音楽の魅力で、そしてその歌詞、俳優陣の歌声でハートが射止められる非常に素敵な作品である。
歌詞なんかも非常にストレートで分かりやすいのがまた良い。
LGBTに悩まされるエマだけではなくこの作品の登場人物は各々悩みを抱えている。その悩みの殆どが本当の自分を否定される事に怯え苦しんでいる。
そしてこの作品内では否定し相手を傷つけてしまってる側の人物ももちろん描かれているが、彼らもまた社会の「普通」という概念に従っているだけであり、その「普通」から逸脱し自分が否定される事を恐れているわけだ。
この作品の良い所はそういうストレートな所がとても良い。誰しもが偏見は少なからず持っているかもしれない。その偏見を振り返った時意外と深い理由はなかったり、その偏見を理解する事で自分が否定される事を恐れてるケースは多いのかも知れない。
このように振り返ると差別偏見は考え方次第では無くす事は決して難しくないのかもしれない。
この作品内で特に好きな所は後半の「隣人を愛そう」というミュージカルシーン。
これなんかも非常にストレートである。近くの人を愛し理解する事で偏見や差別はなくなる。人は決して一人で生きているわけではないから、こうしてみんなが近くの人を愛し、理解し合えばあっという間に輪となり、理解は進むであろう。このシーンは特に好きであった。
この隣人を愛そう以外のミュージカルシーンでも非常に自分の好みの曲調歌詞が多く終始ワクワクしながら鑑賞することができた。
最後はもちろんエマは認められ恋人と結ばれる。バリーらも幸せな形で終わる。ディーディーが最後にうまくいくって素敵だというシーンがあったがこの時は観てるこちらも全く同じ気持ちになり非常に心打たれる良いシーンだった。
ミュージカル映画が元々好きという事もあるが、個人的には今年見た作品の中で1番好きな作品であった。
同じようにミュージカル映画が好きな人には強く勧めたくなる作品であり、また比較的若い層や映画があまり見ることのない人にでも楽しくそして温かい気持ちになれるポピュラーな作品にも思える。
また今回はイオンシネマ海老名のTHXで鑑賞することができた。Netflix作品という事もあって劇場公開が少ない、THXで鑑賞出来たことにイオンシネマには非常に感謝の気持ちでいっぱいだ。とても作品とマッチしていた。
Netflixでこの後見ることはできるが、ミュージカル映画が好きな人、この作品が気になる人は是非劇場で観ることを強く勧めたくなる最高の作品であった。
多勢と無勢
レズビアンであるが為にプロムへの参加を拒否された女子高生を、売名目的で助けるべく立ち上がったブロードウェイで燻る女優と仲間たちの話。
レズビアンであるが為に、パートナーとの出席は許可出来ない、しかし参加させないと法的に問題となる為、とプロムは中止すると宣うPTA。
それをSNSで見つけた、ブロードウェイのトップ女優とも言われたが今ではタイム誌で酷評を受けるディーディー率いる5人組が、前時代的田舎の高校を訪れ、プロムを実施させると共に女子高生を参加させるべく奔走する。
若者はディーディーを知らなかったけれど、実はゲイのアイコンとも呼ばれる有名人のディーディー達で、浮世離れした言動もチラホラとあってドタバタ感も折り込んでいく。
突然のトップ女優の登場に、法的処分より、彼女達を恐れてあっさりとプロムの実行を許可するPTAと展開していくけれど…勿論そんなあっさりとはいきませんよね。
単純な話の割にストーリーの波もしっかりあるけれど、ちょっとご都合主義が目立つし、内容的には結構あっさり。楽しいんだけどね。
それと、エマ達高校生サイドだけで無く、ブロードウェイ軍団の登場人物達の変化もしっかりみせてくれるんだけど、アップルビーズから始まるお二人のストーリーはちょっと長くてダレ気味。
無くても通じるし、省いて頂いた方が良かったんじゃないかな。
コミカルだしテンポの良いミュージカル作品で、明るくノリノリだけど、ちょっとストーリー的には物足りなく感じた。
みばえはGREE。
久しぶりなミュージカル、楽しかった。自己主張が強いアメリカらしくマイノリティーな人々は常に前進あるのみ。ゲイを認めない人達も主張激しく接点なし。最後はうまくまとめるしきらびやかでノリの良い楽曲が多くて楽しい。メリル・ストリープの唄のうまさをあらためて実感。
【”不寛容で、古臭い保守的思想を歌とダンスで吹き飛ばせ!” 高校最後のダンスパーティは、本当に好きな人と踊りたいよね!】
■今作の感想
1.ディーディー・アレン(メリル・ストリープ)とバリー(ジェームズ・コーデン)は”少し、落ち目の”ミュージカルスター。コーラスを務めるアンジー(ニコール・キッドマン)も今一つ、パッとしない”代役”を務める日々・・。彼らが共演した舞台は、批評家から酷評されてしまい・・
-メリル・ストリープとジェームズ・コーデンとくれば、一流の歌唱力を誇っている事は周知の事実。実際、素晴らしい歌が聴ける。が、ニコール・キッドマン等、他の共演者も負けていない。-
2.エマは”プロム”で、好きな女の子アリッサと踊りたいが、保守的な風土の、インディアナ州にある”マディソン高校”では、ミュージカル好きで、寛容な思想の校長先生は支持するが、PTA会長のアリッサのお母さん、グリーン(ケリー・ワシントン)はそれを認めない・・。
-アリッサも、エマが好きだとカミングアウト出来ない・・。二人は”プロム”で一緒に踊ろうと約束するのだが・・。土地柄もあるのだが、辛いね。エマは過去、レズビアンであると公言したため、辛い思いをしている・・。
又、PTA会長のアリッサのお母さんのグリーン(離婚している)も、娘の事を思っての事だという事も分かるのだが・・。ー
3.ディーディー達は、マネージャーから、エマの話を聞き、”自分たちの”名誉挽回の意味も込めて、マディソン高校にやって来る・・。
だが、エマと彼らが”プロム”の会場に行くと誰も居らず・・。保守的思想を持つ人々により、会場が直前に変更されており、アリッサはそれを知りつつ、エマに連絡できず・・。深く傷つく、エマ。
- 彼らが、宿泊するホテルで繰り広げるドタバタ騒ぎが、彼らがやや下衆な思いを持っている事を明示している・・。トニー賞のトロフィーを2個カウンタ―に出し、”良い部屋を・・”とホテルマンに迫るディーディーの姿・・。
そして、エマの哀し気な姿。アリッサも・・。ー
4.ディーディーのファンである、校長先生は彼女と楽しい時を過ごすが、ある事から彼女たちが来た狙いを知ってしまい・・。
- ここら辺から物語はさらに良くなる。
それは、ディーディーは別れた夫がTVで活躍する姿と自らの境遇を重ね、複雑で寂しさを抱えているし、バリーは16歳の時、”プロム”で好きな男の子と踊りたかったのだが、願いが敵わず、更に両親から”ゲイ”であることを認められなかった哀しき過去を持っている事が徐々に明らかになって来るからである。
そして、彼らが、エマとアリッサのために、本気で彼女たちのために”プロム”を開こうとする過程。
バリーの母が過去の過ちを息子に詫びるシーンや、ディーディーが”かなり強引に”校長先生に正直に自分の想いを伝えるシーンなど。
”アメックスのブラックカードを渋々出す、ディーディーの姿など、笑える・・。”
<不寛容で、古臭い保守的思想を、コミカル要素を絡めて、ダンスと歌で吹き飛ばしていくミュージカル。それにしても、ハリウッド俳優さんたちは、歌も上手であるのだなあ・・。多幸感溢れる作品です。>
gleeですね・・・
gleeが好きな人なら楽しめるのではないでしょうか。
物語として特筆すべき部分はあまりなくて、いくつかの対立と和解とミュージカル。
そもそもブロードウェイのミュージカルなのですから当然なのですが、ハイライトはミュージカルシーン。お話は付け足しのようなものです。
印象としては、メリル・ストリープさんは物の怪レベルに入りつつあります。美輪明宏のような怪しさ爆発ですね。どこまでがダブルなのかはわからないのですが、歌って踊っています。
ニコール・キッドマンさんは失礼ながら蛇足。ムーランルージュで魅せたようなパフォーマンスはもう・・・老害というと失礼なのでしょうが。
そうはいうものの、やはりこの作品は主人公のエマとアリッサを如何に魅力的にみせるのかというもの。両名ともに明るく輝いていて、多幸感にあふれるミュージカルシーンになっています。それだけで十分、というのが本音。
netflixでここまでのクオリティになるのだから恐ろしいというところでしょうか。ただ、現在のミュージカル映画としてみたとき、旧来のミュージカル的な曲が多くて少しがっかりしてしまいました。マッシュアップやアレンジでもっといろんなジャンルの曲があれば。
メリル・ストリープの化け物じみた歌唱必見!
2018年のブロードウェイスマッシュヒット
シカゴにリトルマーメイドやウィキッドから、プリデューサーズ?まで数々のミュージカルのオマージュを抱えた近年スマッシュヒットのミュージカルだから見る価値あり!
しかも、それを豪華キャストにして、メリルの序盤の楽曲「it’s not about me(あたしは主役じゃないけどね)」などは迫力として、ブロードウェイオリジナルキャスト超え!見なきゃでしょ!
んで、ストーリー
落ち目の女優たちが自分たちが注目される為のネタを探してたところ、エマとアリッサは女の子同士のカップルとしてプロム参加する事を願うけどそれはなりませんでしたって言う事件に落ち目女優たちが介入するから…もうしっちゃかめっちゃかだよね。
ヘアスプレーとかウィキッドとかのミュージカルが好きなら面白い事間違いなし!
んで、見て欲しいってところは
このミュージカルに込められた…人生にリハーサルはない!ってメッセージが背中を押してくれる事と、楽曲dance with youやit’s time to danceに込められたエマとアリッサの変われない自分を責めてしまう想いは日本にもある事に色んな人の心が開かれてくれると良いなぁ〜と思いました。
このミュージカル映画化の興行が上手く行ったら、ディア エヴァン・ハンセンとかも映画化してほしい!
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