劇場公開日 2021年9月23日

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「女性として共感しかない」総理の夫 yamappleさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0女性として共感しかない

2022年1月8日
iPhoneアプリから投稿

飛行機の中でなんとなく観た映画だが、何度も涙が出るくらい共感する映画だったし、原作が原田マハさんと聞いて、大好きな作家なので、こりゃ仕方ない、とも思った。

主人公、総理の夫の日和は鳥類学者で研究さえできていれば…というマイペースな人だが、実は超大手グローバル企業創業一家の次男でお坊ちゃんというのがリアル。のんびりした性格と強い女に囲まれて生きているせいか、心が優しい雰囲気を田中圭が好演している。

総理役である凛子、中谷美紀は相変わらず美人で、知的でエレガントな総理の役もハマっていた。リーダーシップと人間性を兼ね備え、女性初…みたいになるならこういう人がいいなーという理想的な雰囲気。

女性が総理の妻としていつもやっていた役割を男性がやることになったらどうなるのか?
女性として、妻として生きながら、仕事で社会に貢献する重要職に就くとなにがハードルなのか?
この2点をうまく描いている点がとても良かった。

最後、りんこが妊娠して総理職を辞任することになるのだが、結局、ひとつの生命誕生にはどうしても女性は仕事を減らす時期が出るとか、リアルだった。本当は、そんな中でも継続して産んで欲しかったけど。

ただ、りんこならまた返り咲くよね、という期待がある終わり方でもあり…。
コミカルに描きながらも、世の中が男性に求めるもの、女性に求めるものに一石を投じ、現実を描写しているので、バリバリ働く女性にはぜひ観て欲しい一本。

yamapple