「人のいい鳥類学者・相馬日和(田中圭)は相馬財閥の次男坊。 今日も今...」総理の夫 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
人のいい鳥類学者・相馬日和(田中圭)は相馬財閥の次男坊。 今日も今...
人のいい鳥類学者・相馬日和(田中圭)は相馬財閥の次男坊。
今日も今日とて、都内の豪邸の庭に集まる野鳥たちの観察に精を出し、北海道での観察調査のための準備をしていた。
妻・凛子(中谷美紀)は少数野党の党首。
より良い未来に向けての活動を行っていることは知っているが、政情については疎くて知らない。
そんな中、10日間の北海道の電波の届かぬ僻地での観察調査の間に、凛子が連立政権を組み、内閣総理大臣になってしまう・・・
といったところからはじまる物語で、自民党総裁選の只中、衆議院選挙も近い折、タイムリーな公開。
映画前半は、突然、「総理の夫」となってしまった日和の「巻き込まれ型」コメディで、その後、連立政権を組む協力党の大物政治家・原久郎(岸部一徳)の糸引きによりスキャンダルに巻き込まれそうになります。
ここまでは、少々ステレオタイプ的だけれど、その分、安心して笑えます。
田中圭お得意の「え? え?」演技を楽しんでいればいい感じ。
日和中心のコメディから映画はその後、凛子を中心とした物語へと移っていきます。
社会福祉改革、財源確保のための消費税増税を掲げた凛子は、連立を組む原の寝返りに会い、衆議院解散・総選挙へと打って出ます。
そして、40歳を超えた凛子に妊娠が発覚。
選挙戦で体調を崩し、再び総理の座に就いたものの数日で倒れてしまい・・・と展開します。
「誰ひとり取り残さない、特に女性を取り残さない未来。そして、次世代にツケを残さない未来」の理念を掲げる凛子。
自身は総理の座から降りるべきか、このまま続けるべきか・・・
記者会見の場にすったもんだの末に踏み込んだ日和は・・・
クライマックスは、おぉぉ、フランク・キャプラ!
こんなストレートなフランク・キャプラ的な映画が現在の日本映画で観れるとは!
図らずも落涙です。
なお、参考作品として以下の作品を挙げておきます。
フランク・キャプラ監督作品『群衆』『スミス都へ行く』
マイク・ニコルズ監督『卒業』