劇場公開日 2021年2月19日

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「チェスと人狼ゲーム」ある人質 生還までの398日 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0チェスと人狼ゲーム

2021年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 タイトルがすでに主人公ダニエルが生きて帰れることを示しているので、それほど期待はしていなかった。「テロには屈しない」といった言葉の重みや政府の決断、国によってかなり差があるのだろうけど、デンマークは日本の立場とほぼ同じで、交渉は一切せず身代金は払わないという。そして悲しみに暮れる家族はネットで募金を集めることを思いついたのだが、政府は救出名義の公募も許さない態度。秘密のうちに募金活動を進めなくてはならないのだった。

 拷問や粗末な食事での監禁。挙句の果ては「ロバになれ」という。同じく捕らわれた各国の人質も徐々に帰宅を許され、中には処刑される者もいた。ただ、あまりにも残酷な描写はなく、家族愛がメインとなっていく。

 獄中と本国の家族の映像、そして交渉人アートゥアと居所のわからなかった米国のジェームズ・フォーリーを交互に描き、表には出てこなかったISの監禁模様が伝えられる。ただ、中盤はかなりだれてきて、眠気も感じてしまいました。母親の同級生の夫という人物に資金援助を頼んでいるシーンから徐々にクライマックスへ・・・眠気も吹っ飛ぶほど感動的瞬間が待っていたのです。

 身代金に達したときの喜びや家族との再会。そして記憶力が問われる家族への遺言など、涙ぼろぼろ・・・どうして過激派はそこまでするのかと腹が立ってきた。過激派に資金援助する国もあっただろうし、欧米の攻撃など、他にも悪者がいるんちゃう?

 とにかくアートゥアがかっこいい!ハードボイルドとして彼を中心に描くのもいいかもしれない。そして、眼鏡を渡されたとき、そういやずっと裸眼だったんだよね・・・と思い出した。一瞬、ビートルズが嫌いになりそうにも・・・

kossy
NOBUさんのコメント
2021年3月5日

今晩は。
 レビューに記載した通り、シリアはどうなるのであろう・・、アサドって何で政権維持できるの??と報道を見始めて数年。
 で、いきなりですが、このサイトを牽引するKossyさんだから書きますが(このコメントは時間が経つと消去されのですよね・・)当方の息子は、金沢大学に通っております。(ちなみに、全然勉強しなかった私は現役時代、見事に落ちました・・。未だに覚えています。”日本海の波高しという不合格通知”)で、奮起して、翌年別の旧帝大に滑り込んだのですが・・。
 こんな、平和な遣り取りが出来る事を感謝したくなる映画でした。
 けれど、命を懸けて今、世界で何が起こっているのかを伝える人々の無私の精神にも頭が垂れる映画でもあります・・。
 では、又。返信不要です。

NOBU
NOBUさんのコメント
2021年3月5日

おはようございます。
 ”交渉人アートゥア”のような、仕事がある事の恐ろしさ。
ISIS→ISに変容して行く様、決して愉快な映画ではありませんが・・。
私は手にじっとりと汗をかきながら、今作を鑑賞しました。
映画館で映画を観る事の嬉しさを感じながら・・。
では、又。

NOBU