「“交渉”を公にできない苦しみ」ある人質 生還までの398日 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
“交渉”を公にできない苦しみ
ノンフィクション系で、「観ての通り」という作品であった。
(このような“武装勢力による拉致”では全然ないのだが、)とあるアフリカの国で、車に乗せられて見知らぬ地に連れて行かれて、金銭を要求された経験のある自分としては、主人公の行動は意外なところがあった。
それは、いったん逃亡に成功した時に、地元の人間を容易に信用してしまったシーンである。
自分は逃げた後、地元の人間を見ても、誰も彼も敵に見えて信用できず、絶望的になったのを思い出す。(たまたまヨーロッパ人が通りかかったので、助かったが。)
また、人質の国籍だけでこんなにも状況が変わってしまうのか、と驚いた。
総じて欧米人は、イスラム原理主義者には憎まれている印象があるが、本作ではデンマーク人とアメリカ人の間の差は、決定的だった。
その他、人質解放エージェントの実態や、“交渉”を公にできない理由と苦しみなど、ニュース報道では分からないことが盛りだくさんで、いろいろと勉強になる作品である。
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