「フランスらしい美しい愛情表現に満ちた作品」マーメイド・イン・パリ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
フランスらしい美しい愛情表現に満ちた作品
フランス映画祭2020横浜にて鑑賞。
人魚姫というとディズニーのリトルマーメイドが強く印象にあるが、この作品はベースとしてはアンデルセン童話をモチーフに現在のパリにもし人魚が現れたらというラブコメディのような作品。
個人的にはディズニー映画の魔法にかけられてのような世界と捉えながら鑑賞していた。
コメディといっても設定がそうなだけで作中でおふざけシーンが決して多いわけではなく、基本的には人を殺す人魚ルラと失恋をきっかけに恋をできない、そして人魚に恋をしたら死んでしまうと知りながらもルラとの関係を望む主人公のガスパールの淡い恋愛描写が種となる。
人魚に恋をしてはいけないという枷があるため、恋までの過程を淡くピュアに描かれてるのがこの作品の最大の魅力でありその描写がとても美しい。
またルラがとても可愛らしい。人間の世界への不思議に満ちた表情、そして徐々にガスパールを始め人間の世界に溶け込んでいきその生活を楽しんでいく表情、
そしてなんといっても綺麗な歌声と彼女の存在がとてもキュートで観ているこちら側も彼女に恋をしそうになる。
結末としてはルラは海に帰り、残されたらガスパールは今の仕事である歌手を辞め船乗りになりルラを探し、またはルラと海上での生活を求めて海に渡るシーンで終わる。
とても続きが気になる、そして彼らが今後結ばれる事を期待しながらこの作品は終わる。
作品ではおっせかいながら隣人のおばさんの存在や、ルラに恋人を奪われ未亡人となった女性や他にもキャラが目立った存在がいくつかおり、彼女らの存在もまたこの作品の楽しむ事ができる一つであった。
非常にピュアで美しい愛情表現がなされた作品なため、キュンキュンしたい人には強く勧めたい作品である。