「かくも長き不在」私は確信する 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
かくも長き不在
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主人公が被告ではなく、被告の家族でもなく、依頼された探偵でもないのに、義憤に駆られたにせよ、あの執念はいささか常軌を逸している。モデルになった人物は利害関係者らしいので、それなら納得できるが。
フランスでヒットしたということだが、未解決の事件なのに一定の予断を与える可能性があり、デュランデ氏や警察当局から抗議を受けなかったのだろうか。
法廷ミステリーは好きで、その手の映画もよく見るのだが、実話を基にしたものはペリー・メイスン物のように快刀乱麻を断つというふうに行かないのがもやもやする。失踪から20年経ち、フィクションなら当然何らかの結末をつけてほしいところだが、真相が不明のまま放り出される。
日本でも年間8万人以上の行方不明者がいて大半は発見されるが(死亡も含む)、そうでない人も結構な数いるようだ。どうなってしまったのだろうか。深い闇の底をのぞくような気分になる。
邦題は、「ヒッチコック狂の“”完全犯罪”」という惹句に合わせて「私は告白する」に寄せたのだろうか。
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