「テンポの良い骨太法廷ドラマだが、少しばかり設定に難あり…」私は確信する 葵蘭シネマさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポの良い骨太法廷ドラマだが、少しばかり設定に難あり…
約20年前にフランスで実際にあった主婦失踪事件(ヴィギエ事件)で、妻殺害の疑惑をかけられた夫の控訴審を舞台に繰り広げられる法廷サスペンス。
被告側の弁護士モレッティと、彼を助けるノラが被告の無実と真犯人の存在を匂わせながら、非常にテンポ良くストーリーが展開していく為、法廷サスペンスらしい緊迫感が味わえる。
ただ残念ながらサスペンスと呼べるほどの〝謎〟や〝意外性〟はなく、掘り下げていくのは、膨大な通話記録のみ…
家族や仕事、全てを投げ打ってまで公判にのめり込んでいくノラの動機が、一審の陪審員であったことと、被告の娘がノラの息子の家庭教師だから…っていう無理筋なのは、事実をベースに無理やりノラの役割を作った弊害なのかなぁ…
〝事実は小説よりも奇なり〟とはいうけど、この手のジャンルは最後の終わり方次第ってのがよく分かる作品だったかな。
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