劇場公開日 2021年2月12日

  • 予告編を見る

「【”裁判では、推定無罪が大原則だろう!” "推定有罪"思想への激しい怒りを叩き付けた作品。 法廷劇としても見応えある作品でもある。】」私は確信する NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”裁判では、推定無罪が大原則だろう!” "推定有罪"思想への激しい怒りを叩き付けた作品。 法廷劇としても見応えある作品でもある。】

2021年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

◆フランス南西部トゥールーズで2010年に起きた、法学部教授ジャックの妻、スザンヌの失踪により、ジャックが殺害容疑で裁判にかきられた"ヴィギエ事件"を一部脚色して、ドキュメンタリータッチで、描いた作品。
今作品は10年後!(不思議に思ったので、調べたらフランス司法制度では、犯罪の多さなどの理由で、2002年に刑事訴訟法が改正されたとの事。知らなかった・・。)の、再審を舞台にして、描かれていく。

■印象
・一審で無罪になりながらも、世間からの誹謗中傷により、鬱になってしまったジャック。
-" 疑わしきは、被告人の利益に"の考えは、一般市民には、ないのか!
 けれども、日本でも、そうであるなあ。 一度、容疑者になると、あらぬ偏見が降り注ぐ現実。 -

・初動での、サビー警視の"推定有罪"且つジャックの父への、威しとしか思えない電話。
- 誘導だろう!もしくは、強制司法取引か! -

・スザンヌの愛人、デュランデのジャックを貶める為の電話の数々。
- 男のクズである。彼の法廷での開き直った表情。-

・ノラ(マリーネ・フォイス)が、何故250時間にも及ぶ、盗聴電話の分析に執念で取り組んだのか、序盤はやや違和感を感じたが、ジャックが再審で、有罪"になった際の彼の娘、クレマンスを思っての行動であろう、と解釈する。

◆白眉のシーン
・ジャックの弁護をノラの嘆願に依り、引き受けたデュポン=モレッティ(オリヴィエ・グルメ)の、最終弁論での、"推定有罪"思想になっていた検察、警察、陪審員、そして裁判官への激しい怒りを述べるシーン。
 - 流石の演技である。見応えがある。これぞ、法廷劇の醍醐味であろう。-

<今作品は、他人事ではすまない”現代社会の恐ろしさ:冤罪”を我々に突き付けて来る、法廷劇の秀作である。
 だが、真相は未だ闇の中である事と、ラストに流れたテロップ ”フランスでは、年間の失踪人が・・” に戦慄した作品でもある。>

NOBU
グレシャムの法則さんのコメント
2021年2月13日

コメントありがとうございます。
『大人なんだから』と言って、なんの議論も経ずして折り合いをつけるのが、私も嫌いなので、いつも浮いてます😁
空気に従わせようとするほうがよほど人の尊厳を無視したパワハラだと思います。NOBUさんの奮闘振りを陰ながら、色々と想像しながら応援しています。

グレシャムの法則