「明るくシニカルな業界コメディ」ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
明るくシニカルな業界コメディ
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LAの音楽業界の内幕もの、大ファンが高じてスター歌手の付き人になったマギーの音楽への才能と情熱が実を結び大きな夢を叶えるヒューマニック・サクセス・コメディ。
話はフィクションですが脚本のフローラ・グリーソンさんは実際にユニバーサルミュージックで働いていたそうですから登場人物はじめ随所に業界ものとしてのリアリティを感じます。
セリフも秀逸、会話で好きな歌手や曲で盛り上がるのは王道ですが好みで人柄が滲み出るものなのですね。歌手のマギーの音楽感、カリフォルニアの名ソングで「ホテル・カリフォルニア」をけちょんけちょんにディスるセリフは笑えました。監督さんも女性ですから衣装や装身具、コスメや食べ物などこだわりが面白い、マギーのオンボロ車に対してマクラーレンのスーパーカーや玩具のようなカートまででて来るのでカーマニアもくすぐられるでしょう。
よくある業界もの、峠を過ぎた大スターの話では酒や薬に溺れる悲惨な話が多いのですが本作はいたって明るく爽やかなので助かります。見どころは音楽シーンなのでしょうがドラマ性では起承転結の転から結への運びでしょう、まさかの展開、傷心の帰郷から怒涛のハッピーエンドの終幕は圧巻でした。
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