「真実味を感じさせる演出が良かった」KCIA 南山の部長たち リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
真実味を感じさせる演出が良かった
レビューの高評価だけで、予備知識無しに見てみました。
元々、歴史ものとか史実に基づく話も好きなので、近代の大河ドラマっぽくて興味深かったです。
イ・ビョンホンさんは、革命家でもあるでしょうが大統領の側近でもある少し官僚っぽい風貌の役づくりに徹して、自らの格好良さを封印し、七三分けのサラリーマン風の人物の見た目をきっちりこなし、役づくりが流石だと思いました。
以前、王様を演じた時の映画では衣装だけでなく、漂うオーラが本当に王に見えたのに、今回は「トップではない人物」を上手く演じていたと思います。
途中の日本語、わりと流ちょうだな、と思いました。
時代的に、黒電話でダイヤル回してたり、壁に聴診器的なのを当てて盗聴とか、そういう時代だったか〜と思い、
暗殺決行も、ドラマやよくある映画みたいにかっこ良くキメるのではなく、おそらく史実に基づいて?数発ですぐ拳銃が不調になるとか、トドメを刺しても部屋を出る時に別の人の血溜まりで足をすべらして転ぶとか、
興奮状態、カッコ悪い部分も見せ、おそらく現実もこの描写に近いものだったのだろうか、と思わせてくれました。イ・ビョンホンをカッコ悪く転ばせるなんて、「出来るだけ真実に近いものを再現させたい」、という制作陣の意気込みを感じました。
原稿を書いた方が拉致された時、袋の中からの景色は斬新な演出でした。拉致された本人の目線での描写はあまり見たことなかったので。
それと、上司は複数の部下に、信頼してるんだぞ、と思わせるためにおんなじ言葉で煽ってはいけないな、とつくづく感じました。
「あなたが俺を信頼してくれてると思った言葉、あいつにも言ってたのか!」ってそれはカチンとくるだろうな、と納得。
なかなか見ごたえのある作品でした。