「まさに艶やか。詩的な世界を彩る、新感覚ミュージカル!!」すくってごらん 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)
まさに艶やか。詩的な世界を彩る、新感覚ミュージカル!!
【賛否両論チェック】
賛:艶やかな世界観の中で、主人公達の不思議な出逢いが紡がれ、運命が変わっていく様が、観ていて心温まる。優しい楽曲の数々も魅力。
否:そもそものミュージカルへの好き嫌いは分かれそう。終わり方にも賛否がありそうなところか。
一言でいうなら、“艶やか”という言葉がピッタリな作品です。どん底の左遷銀行員・香芝と、金魚すくいの少女・吉乃、そして2人を取り巻く王寺や明日香といった登場人物達が、良くも悪くも現実離れした雰囲気の中で、運命を交錯させていく様が印象的です。始めは数字や仕事が全てだった香芝が、その出逢いによって変わっていく姿は、どこか切なくもあり、またどこか可愛げでもあったりします。
そしてご覧になっていただくと勿論分かるように、タイトルの「すくってごらん」にも、“(金魚を)掬う”と“(傷ついた心を)救う”という2つの意味が込められているのが、遊び心もあってステキだなと思いました。
ミュージカルテイストなので、そもそもの好みはあるかと思いますが、登場する楽曲も魅力的な物ばかりなので、その辺にも要注目です。
忙しい毎日にふと疲れた時の、一服の清涼剤になるような、そんな雰囲気の作品です。是非チェックしてみて下さい。
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