「冷静で風刺が効いたドキュメンタリー」分断の歴史 朝鮮半島100年の記憶 パプリカさんの映画レビュー(感想・評価)
冷静で風刺が効いたドキュメンタリー
生まれた時からすでに別々の国の様に捉えていた私にとって、統一という選択肢すら頭に浮かぶ事もなかったし、なぜ分断されたのかと考える事も実はあまり無かった。
そんな背景もあり、この作品から全てを理解した訳ではないが、分断された背景も現実もすでに状況が複雑だった。バラバラになった家族や脱北する人々などの苦悩的な事よりも、北、南それぞれ抱える問題と周辺諸国との関係を偏らずに真っ直ぐに伝える、好きなタイプのドキュメンタリーだった。
そして、統一するのはお隣の国の話ではなく、世界全体に影響を及ぼし、日本の政治にも経済にも関わる事がリアルに感じ取られた。
フランス人監督だったのが功を奏したのかはわからないが、それぞれの立場の人間の内側から出てくる感情論にとどまらない、冷静な視点がとてもわかりやすくしてくれていた様に思った。
アメリカ大統領の演説とインタビューのインサートのタイミング、風刺が効いていて面白かった。
コメントする