「これは、令和版 「どですかでん」 である。」川っぺりムコリッタ プリズナーN0.6さんの映画レビュー(感想・評価)
これは、令和版 「どですかでん」 である。
ゆったりとして不思議な時間の流れがこの作品の魅力だ。
主人公・山田の過去(前科)を含めて、 常識の埒外にあるような登場人物たちの生活すべてが、良い意味で“どうでもいいわ〜”と思えてしまう。
野菜を作りながら図々しく風呂や食事を要求する隣人。
黒いスーツ姿と無感情な笑顔で墓石を売り歩く親子。
死んだ夫の遺骨を齧りながら自慰をしてしまう大家。
死んでいるのに花に水をあげてまだ“そこにいる”女性。
ひたすらイカの塩辛を作る事に疑問を持たない工場長。
みんな愛おしく感じてしまった。
荻上直子監督(&脚本)が、黒澤明の「どですかでん」を意識しているのは間違いないだろうなぁ。
余談だが、この映画の前に「アイアムまきもと」を見たので、やはり「お見送り係」は必要だなぁと思ってしまった(^_^;)
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