劇場公開日 2022年9月16日

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「小さな喜びをひと匙で笑顔が生まれる」川っぺりムコリッタ ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5小さな喜びをひと匙で笑顔が生まれる

2022年9月26日
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鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

荻上直子さんの小説を読んでとても良かったので、延期してからずっと楽しみにしていた映画です。観れて嬉しかった。
白米ときゅうり、トマトにイカの塩辛、なんて美味しそうなことか。俳優さんたちが素直に頬張ってモグモグしてる姿を見ているだけでも笑顔になるというか、あたたかさが伝わってきました。個性豊かな住人たちの会話にクスッとしたり、切なくもなったり、ゆっくりとした時間が流れていくのが良かった。
小説では冒頭の方から主人公山田の過去や境遇について説明があったけど、映画では中盤や後半に語られていて、無口な男の子が山田と少しずつ距離をつめていくところとかも、映画では始めから男の子が喋っていたりとアレ?となったけど、映画では違う入り方にしたようですね。それは自然で良かったんですが、小説版の中島さんが好きだったので、彼女とのエピソード(山田が仕事で手を切っちゃうところとか)が減らされていたのはちょっと残念。彼女の静かで真面目な雰囲気がとても好きです。社長さんの言葉もじんわりする。ああいう気にかけてくれている人がいるっていうのは大事なんですよね。あと市役所職員の堤下さんも好きです。素朴で誠実なところが行き場をなくした人たちの救いになっている。そんな人たちがいるから、小さな喜びも生まれるんだと思う。
私も小さな日常の喜びを大切にしていきたい。自分がいなくなったとき、一人でもさびしいと思ってくれる人がいたら幸せですね。

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