スウィート・シングのレビュー・感想・評価
全4件を表示
ラナ・ロックウェルって鈴木紗里奈に似てない? 似てないか(笑)
映画の最初の方では学校に行ってなかった主人公の子供たちが、最後の方では教室にいるシーンがある。これを見てほっとする自分がいて、ちょっとショックだった。学校へ行けてることが「まとも」だとする古臭い価値観が、まだ自分には残っているようだ(むろん学校を否定するつもりはないのだけれども)。
ラナとニコの演技はとても自然で素晴らしかった。これは、実の父親が監督であることが大いに関係していると思う。
また、ハッピーエンドっぽく終わっているのもそのせいだと思う。監督は自分の子供たちに希望を感じてもらいたかったのだと思う。そして、自分も希望を感じたかったのだろうと思う。
Sweet thing がたくさん詰まっています
Sweet thing。字幕の訳では「愛しい君」でしたが、thing には様々な意味があるようで、Sweet thing がたくさん詰まっています。もちろん、Sweet sing もあります。
Alexandre Rockwell監督(60歳)の実の子供二人!
弟のニコは奥二重の目が手越祐也に似ていてとてもチャーミング。姉のビリー(Lana Rockwell)はカーリーへアーに面長の美人で大人びていている。きれいな声。ちょっと、かすれ気味の倍音がすごくここちよい。ニコは設定の11歳よりもずっと幼い感じで、15歳の設定のビリーも13歳ぐらいのいちばん清らかな美しさが輝くお年頃でした。弟思いの優しい賢い姉さんですが、二人とも学校に行かず、ネジやビスを拾って稼ぐ極貧暮らし。ぼろぼろのバスケシューズは左右が別のもの。初老のお父さん(ほとんどおじいちゃん)もフリーターで、アル中で、万引き常習っぽい。クリスマスの夜もサンタの格好して呼び込みかなんかのアルバイトで、泥酔して帰ってくる。そして、かなり悲しいクリスマス。よく耐えた!二人とも。
実はこの映画の直前に「ベルリン・天使の詩」をみました。偶然にも、モノクロ映像が大部分の構成でしたので自分でもちょっとびっくりしました。
クソでダメな大人たちからの逃亡ロードムービー。男にめっぽうだらしなくいバカ母親役も実際の監督の連れ合い。ビリーは母親似。でも、成長するにつれて、大坂なおみ似になってしまいそう。ビリー・ホリデーの歌を歌います。監督のレトロ趣味?名前も母親が好きなビリー・ホリデーから付けられたと。度々使われるビキニ姿のビリー・ホリデーが海岸の岩の上でポーズを作っている幻想シーンはやや強引でしたし、ビリー・ホリデーは子供の頃から売春してだぞみたいな、いじめの心ないセリフも好きではありませんでしたが、母親が髪をとかしてくれる回想シーンは良かった。
海辺のシーンも美しい。
車椅子の彼氏を病院から海に連れ出すのも優しさに溢れた勇気ある行動。
盗難車のエンジンのイグニッション作動シーンがかなりレトロでした。監督の歳だとそうくるのかなぁ・・・でした。子供が運転してるからすぐ捕まりそうだし。
しかし、最後は離婚同然の両親をくっつけるエンディングでほっとしました。
後ろの席では同性カップルの女の子が観ていましたが、彼女たちに響いたかなぁ? ちょっと、気になってしまいました。私は好きな映画でしたよ。
しかし、今年はアレサ・フランクリン、ビリー・ホリデー、二ーナ・シモン(サマー・オブ・ソウル)、ジャネール・モネイ(アンテベラム)と女性ブラックミュージシャン関連映画が偶然とは思いますが、続きますね😎
ラストシーン
誰かが死ぬのかと心配しながらずっと見ていたけど、誰も死なない。でも、登場人物の大人も子供も誰が死んでもおかしくない話で、殺すか殺されるか、あるいは自殺するんじゃないかと思わせるようなシーンもあった。生死の境界付近のギリギリの状況下で意思と偶然が交差する。最後の長いラストシーンは、生きる意味など関係なく、生きること自体のかけがえのない価値がよくわかると同時に、ものすごく悲しくなる。
白黒からカラーに変わったり、監督の子供が出演したり、手法が注目を集める映画だが、ストーリー自体とラストシーンがとてもよかった。このストーリーとラストシーンには、ハンドメイドの雰囲気が最適だと思った。
監督自身が出演したらもっと良かったのではないかと思った。
全4件を表示