「【無題】」スウィート・シング ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【無題】
ロックウェル監督のインタビュー・Q&A映像付きの上映だった。
きっと、こうした親子の光景は世界中のあちこちに沢山あるんだろうなと思ってしまう。
この作品には説明はあまり要らないような気がする。
親のアルコール中毒や、DVには苦しくなるが、こんなことじゃなくても、誰でも、自分の親に、嫌なところの一つや二つあるだろう。
逃げ出したくなることだってある。
やられたらやり返したくなるのも当たり前だ。
でも、この姉弟の逃亡冒険譚には陰鬱さはない。
そして、やっぱり親子は親子なのだ。
終盤の悲劇は切ない。アメリカ社会の歪(ひずみ)を示しているような場面のようにも思える。
でも、人々は家族を中心に寄り添って生きているのだ。決して陰鬱ではなく、可能な限り明るくやり過ごそうとしているのだ。
また良い日が来るさ。
Q&Aで、監督は、これからもインディーズ作品を作り続けていきたいとする一方、日本やジム・ジャームッシュ、欧州の国が資金を提供していた時代と違って、今は、どうしてもハリウッドのお金が必要な状況になりつつあると言っていた。それでも、低予算だけれど、インディーズ作品にこだわりたいと。今作の、子供二人は監督の実の娘と息子で、髪を切る場面は、自分自身でも切なくなったと言っていた。
そんな監督ならではの、良い作品だと思う。
1週間限定で、「In the soup」の上映もありましたが、出来たら併せて。でも、もう少し延長して、皆に観せたらどうかと思う。
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