「よくぞ撮影に応じてくれた」リトル・ガール MAGUNETTOさんの映画レビュー(感想・評価)
よくぞ撮影に応じてくれた
前提として
・予告編は未視聴
・セバスチャン・リフシッツ監督の作品は未視聴
トランスジェンダーについて詳しく知っているわけではないのですが、サシャに少しずつ感情移入していきます。
大人が入り込める空間でしかカメラが入らないため、
親目線でサシャのことを観てしまうのも要因かな。
観ているうちに、サシャのことを応援するよりもじっと見守りたくなるはずです。
ある種の性差別を扱った作品で、重い空気が大人たちから常に漂います。デモや役人の会議なんかよりもリアルです。
しかし、当の本人であるサシャが遊ぶ風景にはそれを微塵も感じさせません。
それ故に彼女の感情が露わになるシーンは胸に刺さるものがあります。
監督の手腕なのか一家の雰囲気なのか分かりませんが、不思議とドキュメンタリーであることを感じさせませんでした。
カメラがそこにあることを全く感じさせない空気感もすごい。
現実なのでハッピーエンドというわけにもいかず、少しずつ少しずつ好転していくことを祈るしかありません。
でもその理解や感覚が狭い世界をより自由な方向に変えていけるのかな、と感じた、そんな映画でした。
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