「これが十にも満たない子が見ている現実」リトル・ガール ありきたりな女さんの映画レビュー(感想・評価)
これが十にも満たない子が見ている現実
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まだ小学校低学年の子が目にいっぱい涙を溜めて、自分らしい服を着て通学すること学校に訴えるシーン。その瞳を見ているだけで、本当にしんどかった。
ヨーロッパでもまだまだトランスジェンダーに対する理解が低い実情がよくわかる。しかも本作で立ちはだかる壁は、教育者である学校という信じられない現実。
バレエ教室の対応(ロシア人の先生って言ってたけど、そちらも寛容さには程遠い国のようですね)も酷いけど、専門の医者まで連れて来て設けた話し合いの会に、学校側が誰一人出席してなくて、本当にこちらが怒鳴り込みたくなりました。
世界が変わるにはまだまだ時間がかかるのでしょうが、好きな服を着て、好きな自分のまま蝶のように舞って、ありのままの自分を自分だと認めてくれる人の中で、なるべく伸び伸びと育って欲しいと、ただただ願うばかり。
(ところで、静かに流れている音楽がとても良かった。ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』『夢想』、特に学校に認めてもらったところで流れるラヴェルの『亡き王女のパヴァーヌ』なんて感動的だった。フランスの音楽家でこのタイトルの曲を並べると、選曲なんか素敵じゃないでしょうか)
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